出版社内容情報
紀元前3000年から同500年にかけてエーゲ海の島々やギリシア 本土で生み出された美術の名品。テラ島の壁画やクレタの陶器、アル カイック・スマイルを見せるギリシアの青年像や少女像から古代人の 息吹が伝わる。
友部 直[トモベ ナオシ]
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水田 徹[ミズタトオル]
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内容説明
本書は、紀元前3000年頃から同500年頃にかけて、すなわち青銅器時代から鉄器時代にかけて、エーゲ海の島々、その沿岸地域、ギリシア本土、南イタリアで展開された美術活動を扱うものである。
目次
序論 エーゲ海文明と初期鉄器文明―その時間的・空間的広がり
第1章 青銅器時代の始まり
第2章 ミュケナイ文明とその拡散
第3章 鉄器時代美術の誕生
第4章 東方化様式の時代とモニュメンタル美術の成立
第5章 アルカイック建築の誕生と展開
第6章 クラシック様式の萌芽
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
336
第3巻は「エーゲ海とギリシャ・アルカイック」。この巻もたいへんな充実ぶり。紀元前2,800年頃(青銅器時代)の黄金製ボウルから、紀元前500年頃(クラシック様式初期)の陶器にいたるまで、まことに多彩な美術品が収められている。これらの中で最も眼を惹いたのは3体の女性像(後期スペドス型、ドカティズマタ型、ハランドリアーニ型)。いずれも紀元前2400年~2200年のものだが、現代の造型と見紛うばかり。ここにではなく、例えばピカソの画集の中に紛れ込ませれば騙されかねない。ドイツの美学者ヴォリンガーの名高い著書に⇒2023/02/12
KAZOO
129
この巻は、エーゲ海とギリシャ・アルカイック、ということでギリシャ文明の様々な美術品が掲載されています。青銅器時代、クレタ宮殿全盛時代、ミュケナイ文明、鉄器時代、などなどすばらしい作品が数多くあります。やはり実物を見てみたい気がします。2016/12/25
せがわ
4
「ギリシア美術史を学び始めるならコレ」と教授にお勧めされた本その1。/巨大かつ重厚かつ詳細。紀元前3000年頃から前500年頃までのギリシア美術を、研究の動向などもある程度抑えつつ追う。図版は膨大で綺麗。ただし初学者には解説が詳細過ぎるかもしれないので、自己判断で斜め読みしつつ徐々に補完していくのがいいかもしれない。尚、読書中に肩を痛めないように注意。2010/03/01
Eu
1
エクセキアスの作品はもちろん、彼についての美術史家の評言もいい。「内的大きさの点でアルカイック・ギリシアの最も貴重な証言に数えられ、人間の本質的な尺度と真の威厳とは何かという思索へ誘うものをもっている」(W.テヒナウ)、「エクセキアスはつねに寡黙であり、彼が描く人物の周囲にはつねに余韻嫋々とした静けさが漂う」(篠塚千恵子)。それと月報の見開き一頁の馬場恵二の調査旅行記がめっちゃおもしろい。2024/03/07
Οὖτις
1
この自由さ、奔放さ、そしてパワー!! 2022/01/16