出版社内容情報
書下ろしエッセイ…佐佐木幸綱/「暗夜行路」その背景…安岡章太郎/志賀直哉小論…本多秋五/志賀直哉…平野謙/美しい晩年…高井有一/他
純粋に生きる自我、絶対的な自我肯定の上に文学を確立し、澄明・簡潔な文体で数々の名作を生みだし、後続の文学者達に強い影響を与えた志賀直哉。「白樺」から出発し、晩年の透徹した生活に至るまでの人と作品を、多面的にとらえた。安岡章太郎・伊藤整・本多秋五・阿川弘之らによる作家論、野口冨士男・三好行雄・大江健三郎らによる作品論、阿部昭・後藤明生・黒井千次らの座談会も収録。
内容説明
強烈な自己肯定のゆえに、愛しあいながらも他者との争いを起す青年、流浪と動乱の青春期をこえて、人間と自然と「和解」し、わが国独自の私小説・心境小説を完成した「小説の神様」志賀文学の内なるドラマを照らし出す。
目次
作家アルバム 志賀直哉アルバム
志賀直哉の思い
作家論(「暗夜行路」その背景―『志賀直哉私論』抄;志賀直哉の家;傷つけられた母;美しい晩年)
ひと(志賀直哉対談日誌;震災の年;仕事中 志賀さんのこと;終焉の記;文体そのままの死 ほか)
志賀直哉文学紀行―尾道・城崎・松江・大山寺
作家論(志賀直哉の方法;志賀直哉小論;志賀直哉の文学―「范の犯罪」「児を盗む話」;「暗夜行路」雑談 ほか)
座談会 我々にある志賀的なもの(阿部昭;黒井千次;後藤明生;坂上弘;古井由吉)
志賀文学の定着(志賀直哉―世の若く新しい人々へ;志賀直哉氏 ほか)
生原稿で作品を読む 『暗夜行路』第4・19
『暗夜行路』について(『黴』と『暗夜行路』;創作動機の追求;『暗夜行路』の最前夜―その『前篇』の成立 ほか)