出版社内容情報
東西の文化・文明を語る際に、常に突き当たる壁がある。風流・粋・いなせ…。日本的概念で西欧の文化を読み解くことは至難のわざである。比較文学を専攻した著者は、本書で「風流」というキーワードで世界に挑む。
日本人の生活様式の中で、風流という概念を基調にしたものが多い。家屋の建築、日常生活のあり方や考え方、習慣など、西欧のそれと比べてみるとよく理解できる。東西の比較文学を専門として、外国留学も長かった著者は、東京女子大学での教壇生活のかたわら、比較文化論を研究してきた。普通の日本人の生活を語りながら、世界の生活まで踏み込んだ本書は、知らず知らずに国際的視野で周囲を見廻すことができる名著といえよう。豊富な実例とシャープな感覚で国際感覚を磨いてもらいたい。21世紀はまさに国際時代。新しい世紀への最高の書として、おすすめの一冊である。
内容説明
日本人の四季折り折りの生活には、なぜか風流という考え方がつきまとう。海外留学生活をもとに、比較文学専攻の人気教授が、外国人の生活と比較して「風流」について見なおして独自の研究成果を平易な筆致で展開する。
目次
１ 風流のヒント（縁側とテラス；風呂；昼寝と夕涼み；日本酒とワイン；漬物とチーズ；生なもの、かたいもの、すっぱいもの、苦いもの ほか）
２ 雲枕亭歳時記抄（初春の巻；春浅く旅立ちの巻；行春を異国の人との巻（英国滞在その一）
夏は来ぬの巻（英国滞在その二）
秋の日のヴィオロンのためいきの巻（英国滞在その三）
冬きたりなばの巻）
著者等紹介
大久保喬樹［オオクボタカキ］
１９４６年、茨城県生まれ。東京大学教養学部卒。パリ第三大学比較文学修士課程修了。比較文学、比較文化専攻。東京工業大学助手、東京女子大学講師、同助教授を経て、現在東京女子大学文理学部日本文学科教授。主な著書に『岡倉天心』（第一回和辻哲郎賞）『旅する時間』『森羅変容』（いずれも小沢書店）などがある
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