出版社内容情報
漂白民と定住者の関係、漂白民と宗教の関係の論考を残した柳田国男。中途で放棄されたこの論稿を現代の視点でたどるとともに柳田の限界を問い、いわれなき差別構造を論じる。
昭和期に入って確立した「民俗学」の創始者・柳田国男。彼は、明治から大正にかけて、木地屋や巫女、聖(ひじり)といった漂泊の民についての論稿を残しています。この今まで関心を寄せられることのあまりなかったテキスト群を、著者は「漂泊の精神史」という名のもとに論じています。 ここでは、柳田の漂泊民論の核のひとつが、漂泊民と定住民との織りなす歴史的なダイナミズムにおいての、農民生活誌をトータルに記述しようとする志向であるとし、もうひとつは漂泊の民と宗教とのかかわりだとしています。 そして、亡魂の鎮めと死穢の浄めを、重要な職務のひとつとしていた一群があると述べ、「死穢にたいする忌避の心性を無化していくことが、差別という問題そのものを浄化するための、ある秘められた回路であると柳田はおそらくかんがえていたが、その試みはついに中途で放棄されてしまった」としています。柳田の漂泊の民論を通じて、彼の前期思想の可能性の限界を問いかけています。 この作品は「柳田国男の発生」全4部作の第2部として、1994年に刊行されたものです。
内容説明
民俗学者・柳田国男が明治四十年代に展開し、その後放棄した「漂泊民論」を、著者は現代の視点で継承し追求した。そして、いわれなき差別の構造にも鋭いメスを入れる。
目次
第1章 帰化の巫覡
第2章 漂泊人種
第3章 神の子孫
第4章 日知と毛坊主
第5章 算所の太夫
第6章 皇子流寓譚
第7章 零落する語り部
第8章 オシラ遊び
第9章 菅江真澄の旅
第10章 漂泊と定住
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
産廃屋
ダージリン
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