出版社内容情報
神とともに生き、何事も温厚篤実に暮らすアイヌの人々の一生を誕生、成長、そして老いから死へと再現、豊かな精神世界を紹介。古老たちからの聞き書きの集積から紡ぎ出した珠玉の一編です。
目次 はじめに ? 神々とアイヌ 1 アイヌという言葉の意味 2 人間のあり方 3 人と神のちがい 4 いろいろな憑き神 5 男系と女系 6 人の一生とは ? 誕生と成長 1 出産と誕生 2 赤子や子供、育児 3 病気?健康観・薬 4 あそび 5 子供から大人へ ? 成人・結婚 1 成人儀礼 2 婚姻 3 子供たちの独立 4 自然との関わり 5 生業 6 炊事・食事 7 物交と交易 ? 老いと死 1 老化 2 葬儀と埋葬 3 霊送り ? アイヌの宇宙観 1 霊の道 2 黄泉の世界 3 宇宙観の創造 あとがき 藤村久和君のこと?解説にかえて 梅原猛 「小学館ライブラリー版」あとがき
内容説明
まさに神々とともに生きるアイヌの人たちの一生を、誕生、成長、そして老から死へと再現することによって、アイヌの人々の精神世界を明らかにする。アイヌ研究の第一人者が、豊富な聞き書きから紡ぎ出した珠玉作。
目次
1 神々とアイヌ
2 誕生と成長
3 成人・結婚
4 老いと死
5 アイヌの宇宙観
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わっぱっぱ
9
アイヌの人々の暮らし、その精神世界を、彼らの一生を通して伝える作品。 歴史的な部分に余り触れていない点が少々物足りなくもあったけれど、伝達(文字)ではなく伝承(言葉)することの意味を考えさせられた。“語る”言葉は、“記す”言葉よりも記録という面では弱いかもしれないが、対象(自然であり人)に向き合う心の在り方、のようなものを伝える力があるように思う。2016/09/13
fubuki
3
若い頃、藤村氏と同じ職場にいたことがあり、アイヌ文化にも関心があったので買っていた本。その頃、結構理解していたつもりだったが、今回改めて知らされたことも多かった。この島国にもう一つの文化圏を持っているって、すごいことだと思う。琉球も含めて、大事にしてゆかなければと改めて考えさせられた。2011/04/08
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
信頼した人にしか口伝を教えない老人達と著者との交流を「梅原猛全対話2」で知り、手に取ってみた。良書。祖母からこんな話を聞いていたら人生が最初からとっても豊かだったなあと慕わしさと、懐かしさを持って読んだ。神様・人間・人間以外の三つの世界が歯車のようにかみ合って全体として宇宙を構成している。神様=人間の手に負えないもの、自然、大型動物、美しい巣を作る能力があるクモも。人間以外=神以外の生き物や物。人間には存在目的があるはずだと考えたアイヌの哲学は日本文化に染み渡っている、慎み深いということの意味再考2022/01/09
shiitake55
2
アイヌという人々に対する概念が変わりました。哀れみや侮蔑の目で見ていた自分が恥ずかしく思った。自然と神とアイヌの人々は調和し敬愛し、そして自ら崇高に規律ただしく生きてきた人々だ。学ぶべき思想や考え方が沢山あると思う。現代社会に欠けているいるもの、人間にとって一番大切なことを考えさせられる。2009/11/25
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