出版社内容情報
森林文化や自然観の国際比較はどの研究で知られる著者の森林ウォッチング入門書。四季折々に千変万化する自然の多彩さと、自然の知恵の偉大さを綴ります。
■目次 それぞれの自然 春・山笑う 「ふきのとう」/早春の山 杉木立/クルミ林の目覚め そこなだれ/雪解け ブナの追想/エンレイソウ ユキツバキ/ホオノキ 万葉の花を詠む/深山のサクラ 夏・山滴る 新緑のころ/ハマナス タニウツギ/マタタビ シナノキ/針葉樹と広葉樹 天然スギの話/ブナを育てる ブナの原生林/照葉樹と落葉樹 夏草や……/晩夏 秋・山粧う イチョウ並木/紅葉と黄葉 ナラの風格/スギ文化論 名杉二題/日本人のマツ好み キタゴヨウ/ヒマラヤスギ ドイツトウヒ/カラマツはさびしかりけり ナナカマド/樹のかたち 冬・山眠る 初冬の雑木林/雪景色 小錦が六〇人/「おしん」の季節 樹と雪と/深山いま・むかし 蔵王の樹氷/日陰のモミ クロマツ林/シラカンバ 自然暦/ふるさとは遠きにありて 四季・森に学ぶ ブナ林の歳月/樹木の年齢を知る 森林限界/スギの根元曲がり 樹体内の傷あと/森林官 自然の景観をつくる/複層林 森林の健康を考える/車窓の風景 あとがき
内容説明
木や草花に注がれる温かいまなざしが、四季折々の日本の自然の多彩さと、内にひそむ自然の知恵の偉大さを見事に描き出す…。自然に触れ、感動し、自然とともに生きる暮らしを再発見させてくれる好著。
目次
春・山笑う’夏・山滴る
秋・山粧う
冬・山眠る
四季・森に学ぶ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
6
「春」「夏」「秋」「冬」「四季」と章をたてて綴られる58編のルポルタージュ的なエッセイ。1983年から1992年まで山形新聞に連載された文章をまとめたという。だから、とくに冬は雪国の森の描写になって、なじみのない風景になるけれど、知らない世界が興味深い。植物の話題が多くて、動物や昆虫の登場が少ないのは物足りないものの、四季それぞれに森を楽しむ視点は好ましい。少し読んだら飽きてしまい、数編ずつ読み進めて、読了まで1ヶ月ほどかかった。それがかえって1編ずつ味わえてよかったかも。 (★★★☆☆)2016/03/28
かつきち
2
四季それぞれの森に対するエッセイ&解説みたいなスタンス。自分の視野が狭い興味の範囲が狭いことに気付かされる。鳥!鳥!とならずに普通に見える樹や虫や生き物の痕跡を注意深く見て森を楽しめるようになりたいと思った。2020/08/29