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出版社内容情報
争いの火を止めるため女司書は戦場へ駆ける
「違反者の取り締まり、付き合ってくんない?」
女司書は決して相容れないはずの相手に、そう言い放つ。
『魔導書』と『魔王雷』、双方の使用禁止という協定が成立したが――それでも《人類連合》と《魔族軍》との戦いは続いている。
相変わらず攻撃の決め手に欠ける連合軍。王国は今や抑止力としての効果に疑いない『魔導書』の力をさらに掘り起こすべく、帝国から魔導司書を招聘することとなった。そして、そこに呼ばれるのは当然――
「出向ですわ♪」
「嫌すぎますわ♪」
帝国第11前線基地魔導図書館司書であるところの、カリア・アレクサンドルその人なのだった。
本を愛し、愛しすぎたゆえにまんまと戦場まで連れて来られた挙句魔王軍と現場突発交渉しちゃう女は、どんな戦場でも「司書」としての軸をブラさない。
魔導書は守りたいし、図書館運営も大事だし、協定を侵そうとする奴は許さない。
そして、利用規約違反はどんなに偉いやつでも、地獄の底まででも追いかける。
戦争という現実に司書は吠え猛り、蛮勇と矜持の牙を立て走る――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
『魔導書』と『魔王雷』双方の使用禁止協定が成立したものの、それでも続く人類連合と魔族軍との戦い。王国が『魔導書』研究のために帝国から魔導司書を招聘する第2弾。帝国に期間限定で赴くことになり基地司令の王子ポロニアや部下のタニーアたちと出会い、魔導書が何たるかを教えつつ、図書館の整備もビシバシ指導する一方、魔導書奪取を狙う魔族軍の企みや王国の真の狙いとも対峙していくカリア。本を愛し争いの火を止めるため、決して相容れない相手とも組んで奔走して、ほろ苦い結末の中でも意思として伝わった彼女の熱い想いが印象的でした。2024/04/17
わたー
20
★★★★★2巻もまた、人の死が軽い戦場の容赦のなさと、読みたいやつに本を読ませるだけという司書の矜持が、確かな熱量として表現されている素晴らしい内容だった。魔王雷と魔導書双方の使用を禁止する協定が結ばれたことで、魔導書が抑止力として評価され、連合各国が魔導書の復元にのりだすことに。主人公タリアは魔導司書としての腕を買われ、王国にある別の前線基地で講師として招かれることになる内容。両軍がにらみ合いを続ける戦場から少し離れた場所にある基地のため、前回よりは血生臭さは薄いものの、2024/04/26
和尚
16
嫌々ながらに王国出張の巻。 安定の面白さでした。よそ行きのアウェイのはずなのに、本への国境無き愛により馴染むのがカリアさんらしいですね! ポリュムさんも好き、新しく出てきたキャラも含めて本当に良かった。 終盤にかけての展開も面白かったですし、一巻に引き続きおすすめですね。 欲を言えば、グテンヴェルさん含めて、魔族側ももう少し描写見たかったですね、続編に期待!2024/04/23
マダナイ
2
超ド級傑作。いやこれはすげーわ。ぜひみんなに読んでほしいわ。あ、読むなら1巻からね。2024/04/23