内容説明
シャーロック・ホームズの妹、元気いっぱいのお嬢様エノーラは、失踪した母が残した暗号を解くことで大都会ロンドンに向かうことに!気の詰まる貴族教育から抜け出した彼女が最初に遭遇した事件は、名門貴族嫡男の失踪事件。名探偵の兄シャーロックゆずりの推理力でエノーラが導き出すのはどんな真実なのか?ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に、謎と冒険に満ちたミステリーがはじまる。
著者等紹介
スプリンガー,ナンシー[スプリンガー,ナンシー][Springer,Nancy]
1948年アメリカのニュージャージー州生まれ。ファンタジー、マジックリアリズム、ミステリー、現代小説など、幅広い分野にわたる作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
17
本好きなら一度は考える、「もし自分がこのお話に登場したら」。しかも、大好きなホームズの妹役で!とわくわくしました。海外物は普段読まないので、どんな心構えで読んでいいのか最初わからず、主人公と同じ14歳くらいの女の子を対象にした本とイメージして原典は読んだことあるのかな、とか歴史に対する理解はどれくらいあるのかな、とか色々考えて読みました。ただスラングがいかにも雑な言葉、になっていたのが残念でした。もう少し当代の女の子らしい言葉を選んでほしかったです。結局伯爵子息がどうなったのかも、よくわかりませんでした。2011/10/23
ぽま
12
『椈屋敷』で、ホームズは「もし僕に妹がいたならば」という彼らしくない台詞を呟くが、それに刺激されて彼の妹キャラクターを創作する作家は存外多い。このシリーズもその一つで、ヴィクトリア期の女性文化については勉強になる点も。マイクロフトが推理力を発揮しなかったり、設定年代的に『ボヘミア』の事件の後なのにホームズが女性を小馬鹿にしていたり、観察力がずば抜けている彼が終盤の妹の変装に気づかない点には違和感を覚えたりと、「ホームズ・パスティーシュ」としてはツッコミをいれたくなるが、まぁライトノベルと考えれば及第点か。2012/08/25
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
5
最初のエノーラと公爵家を訪ねた時のエノーラは全然違うので、 これから事件に関わっていくエノーラの成長がたのしみ。 この本の暗号、結構難しい・・・。2012/04/01
ライム
3
ヴィクトリア朝のイギリスが好きな人にはオススメ。当時の服装とか生活の様子とかが、けっこう細かく描写されてます。翻訳物にありがちな読みにくさもあんまりなかったし、エノーラのキャラも素敵です。これはシリーズを集めてみてもいいかもしれないなぁ。2010/04/12
凜瀬せんり
2
フォロワさんに勧められ読んだものの確かにこれはラノベレーベルにおいておくには惜しい作品。ホームズの妹という設定や鏤められた暗号などは楽しめるのだが、時々出てくるラノベ的挿絵と翻訳の文体がミスマッチで、正直絵なしで読みたかった。魅力的な主人公設定でありながらも、シャーロックが積極的に話に介入する訳ではなく、あくまでエノーラの物語を貫いている所が好感を持てる。ただ一巻だけだとホームズの妹と言う設定に必然性を感じられないのが残念。女性蔑視の19世紀英国で、14歳の女の子が未来を拓く話としてはそこそこ面白い。2012/03/19