内容説明
かつての母の仲間たちを説得し、船を奪い取って、アートは女海賊となった。彼女の船が目指すのは、母の残した地図に記された財宝があるはずの島。だが、その前に宿敵ゴールディ・ガールが立ちふさがり、しかもフェリクスとの関係がどうにもギクシャクしてしまって…。広大な大海原を舞台に、物語はついにクライマックスを迎える。
著者等紹介
リー,タニス[リー,タニス][Lee,Tanith]
児童ファンタジー、大人向けのダークなファンタジー、ホラー、SF、エッセイやドラマ脚本など、幅広く活躍しているイギリスの女性作家
築地誠子[ツキジセイコ]
翻訳家。東京外国語大学ロシア語科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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眠る山猫屋
45
後半で昇華される物語。流石タニス・リーの語りに引き込まれる。宿敵リトルゴールディガールとの海戦を制し、裏切り者の正体を知るアート一味。実体は劇団だから迫力だけは満点、やる気は零点という一味を率いて海賊女王に登り詰めるアートの気苦労たるや…。不殺を貫き最後に辿り着いた宝島の名はラフテル…な訳はないが、これは!?8人の海賊団員(犬含む)が公開処刑間際のアートを救うべく、しょうもない変装で近づくシーンは胸アツ。みんな自分だけが犠牲になってアートを助けようと…最後までバラバラな海賊団(笑)2020/05/27
歩月るな
9
改めて児童書として出された本の翻訳なのですね。しかも女性向けレーベルなので言葉は慎みますが、ゴールディは見下げ果てたクズ女です(誉め言葉です)。部下も「薄汚いブタ野郎」呼ばわり、そんな女王様の顛末は実に生き生きしており、一つの生き様として実に美しい。残酷で卑怯で弱っちい所も裏を返せば「敵役」としての魅力で、その負けっぷりには漏れなく加虐心も満たされます。決して人を殺さない誇り高き海賊は最後までその矜持を守る。パイレーティカと仲間たちの絆、クライマックスには嬉しさが込み上げてきます。児童書ですしね。最高。2015/09/10
さくら🌸
3
多作とは知っていたが、こんな方面にも手をだしてたのねぇ。長年のファンとしてはもったいない思いだが、このジャンルとしては出来が良いのだろう。2009/05/18
雨蛙
2
後半になってやっとおもしろくなったので、上巻下巻に分けないほうがよいと思う。上巻だけ買っていたら力尽きて下巻は読まなかったかもしれない。イラストが濃い。2009/07/10
みや
1
☆☆☆2007/07/09