ガガガ文庫<br> 路地裏に怪物はもういない

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ガガガ文庫
路地裏に怪物はもういない

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  • サイズ 文庫判/ページ数 371p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094517880
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

平成最後の夏、最後の幻想がはじまる

一つの時代が終わろうとしている。
高度に発達した文明社会は路地裏の暗闇さえも駆逐し、この世界に幻想の居場所はなくなった。かつて人々が怖れた怪異は、誰しもがネットで正体不明を暴けるものとなった。
そんな幻想の余地がなくなった現代社会で、十代の少年少女を中心に不可思議な現象が起きる。
――乖異。
己が妄執こそが真の現実だと主張する、突如顕れた新たな病魔。現実から乖離し、現実とは異なる理で世界をねじ曲げる現象。乖異によって引き起こされるは、「死者のいない」猟奇事件。導かれるように集ったのは、過去に囚われた三人。
絶えた怪異を殺す少女・神座椿姫。
空想を終わらせる男・左右流。
そして、世界に残された最後の幻想である少年・夏野幽。
一連の事件に「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異とかかわっていくことになる……。
終わる平成。最後の夏。最後の幻想。
旧時代と新時代の狭間に問う、新感覚伝奇小説 がここに。


【編集担当からのおすすめ情報】
著者・今慈ムジナはデビュー作である現代怪異譚『ふあゆ』で、第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞と、第3回フロントライン大賞・大賞を受賞。ゼロ年代を愛した全ての読者に問う、平成最後の都市伝奇小説!

内容説明

誰もが簡単に未知を暴ける時代。路地裏の暗闇は駆逐され、幻想の余地はなくなり、怪異は姿を消して久しい。そんな現代社会で起きる不可思議な現象―乖異。己が空想こそが真の現実だと主張し、世界すら塗り換えようとする超常の力。乖異に導かれ集ったのは三人。絶えた怪異を殺す少女、空想を終わらせる男、そして世界に残された最後の怪異である少年。「死者のいない」猟奇事件に端を発した一連の流れに「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異と関わっていく。平成最後の夏、最後の幻想がはじまる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まるぼろ

35
帯のセリフに惹かれて平成最後の日にこれを持ってきたというのはあります…w 生まれながら平成最後の夏が終わると自身も消滅すると認識していた怪異の夏野幽は、ある日路地裏に何者かに惨殺されるが…と言う所から始まるお話です。普通に新伝奇として、そして思っていた以上に優しさのある作品でとても良かったと思いました。それでも最後がまさかぼくのなつやすみのバグで〆られるとは思いませんでしたが…w よくある新伝奇とは違い怪異ならぬ乖異そのものを消滅させ現実で幸せを掴めるようにしようとする流れは良かったな、と。→2019/04/30

しまふくろう

29
【試し読み】物語は一人の怪異と二人の専門家が謎の事件に挑む話。実在する怪異と思いこみから成る乖異という設定が面白くて、ひとつめの事件を楽しく読めた。 幽の「平成最後の~」というフレーズが妙に寂しさを感じる。 続きが楽しみ。2019/04/26

羊山羊

24
キャラや世界観の造形は型月より好きかも。怪異の存在しない現代において、怪異と携わることに存在意義のあった、取り残された者たちと、人が引き起こす乖異との対峙を描くという洗練されたストーリ。平成最後の新伝奇の看板に偽りなしな1冊だ。ヒロインと主人公の関係も心地よかったし、戦闘狂のヒロインもキャラが立ってて素敵。ただ、もう少し伝奇やホラーに大事な雰囲気作りは欲しかった。今一つ紙幅が足りなかった感。でも事件の結末の温かさや世界観は素晴らしいので一度手に取って読んでみてほしい1冊。2020/02/16

nishiyan

21
何者かに惨殺され、怪異となった夏野幽、怪異を殺す少女•神座椿姫、カウンセラーで祓い屋の左右流が「死者のいない」猟奇事件に端を発した怪異との戦いを描く伝奇もの。3人が連携して連続して起こる事件を解決していくところはテンポがよく、伝奇といいながらもどこか優しさに満ちたところは読んでいて心地よい。恐らく解決の仕方が新しい生き方を提示しているものだからだろう。「真祖の吸血鬼」の正体と生み出した原因には驚かされたものの、ラストはどこか未来があるような終わり方に次巻があるのではないかと期待してしまった。2019/05/01

真白優樹

21
一つの幻想の時代が終わりを告げる中、自らの妄執こそが現実と狂信する病魔が顕れた世界で、怪異に関わる者達がそれぞれの理由から事件と向き合う物語。―――終わり往く時代の中、それでも何処かに光を探して。 二つの時代の狭間、終わり往く幻想。そんな時代の終焉の風が心の中に吹く、どこか郷愁を感じさせる作風の物語であり、交じり合う四つの欠片が一つへ繋がり、一つの真実を導き出す、構成の妙が光る物語である。終わり往く時代に居場所はなく、それでもここに集った者達。彼等は今度はどんな事件に挑むのか。 次巻も読みたいものである。2019/04/18

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