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内容説明
私の名前は初雪。もうすぐ15歳になる。「古本屋の川合さん、覚えてる?昔、連れていったでしょう。あの人の、妹になって」。美しい古書店店主・川合愛は私を欲しがり、姉は彼女に私を差し出した。川合愛との不思議な生活。飽きられないように、愛し続けられるように。私は、姉の命を守るために、姉にいわれたとおりに、つとめを果たさなければならない。つとめだから?むしろ義務でなければ…私は、自分から、彼女を好きになるのだろうか―第2回小学館ライトノベル大賞佳作受賞作。
著者等紹介
中里十[ナカザトミツル]
『どろぼうの名人』で第2回小学館ライトノベル大賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
43
再読。もうすぐ15歳になる少女・初雪が、美しい古書店店主・川合愛の妹として一緒に暮らす年の差百合小説。圧倒的百合力。一人の少女が年上の女性に恋をし、人間関係を育んでいく姿を、確かな筆力で描いたガガガが誇る傑作。世界観であったり、物語の展開などは正直微妙なところはありますが、この作品最大の武器は何と言っても童話を絡め進めていく百合展開でしょう。このふんわりとした雰囲気が何よりも好きですね。万人に受けることは無いかもしれないけど、百合小説が好きな方には是非読んでもらいたい。2016/02/10
ヱロ本Gメン
11
不思議な世界に不思議な女の子。夢に恋する話を夢見る。抱きしめた気持ちに抱きしめられる。破った約束を大事に守る。そして少女は恋をする。夢から目覚める夢の話。2016/02/21
しき
9
姉妹百合。地の文がですます調が、他人の日記を覗き見してるような感覚を与える。姉の愛情を絵の具に喩えてるのが好き。「姉の魔法は絵の具。下地を白く塗ってあるから、色を塗った時、思い通りの色になる」。下地を塗った後の魔法は、理由もなくあなたを愛おしくさせる。「最高のくちづけ、それは、くちづけのことだけを考えてするくちづけ」。百合に理由はいらない。だからこそ美しい。理由なんかより夢中が大事なんだ。「ひとは楽しいときには、楽しさに夢中になっている。それと同じように、つらいときには、つらさに夢中になるほうがいい」2017/04/20
かわゆきか
9
ふんわりして可愛くて素敵な物語でしたが、掴み所もふんわりして、私にはちょっと難しかった。2017/01/31
なくさ
8
ゆるやかに曖昧に惹かれ合う二人。 直接的には描かれず、時に婉曲され、省略されるところに感情があり関係性がある。 関係性の変化や感情がほとんど直接的には描かれず、それでいて読み終わるとそこに確かに愛やその他のものがあったように感じさせる手腕が素晴らしい。 2019/10/13




