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パレット文庫
今、風が梢を渡る時〈後編〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 196p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094212358
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

旧制三高を舞台の青春模様。感動の後編登場。

大正時代。兵庫の寒村の出身の沢良木犀と、堺の商家の次男、鴇浦智巳。二人はいつしか心通わす仲に。ところが、美貌で寡黙な犀が他の寮生に襲われ大けがを負う。そして傷心の帰郷。復学した犀を待っていたのは…!

内容説明

京都帝国大学の予科・第三高等学校に入学した沢良木犀の一学期は、同性愛や嫉妬、羨望のために散々なものとなった。夏期休暇で帰省した彼を一番に案じたのが、寄宿舎で同室の鴇浦智巳だ。彼は、はるばる沢良木の養家に赴き大歓迎を受け、沢良木の元気そうな姿に安堵する。そして二学期。嫌がらせは減ったが、沢良木は学業の方で焦り出した。また、二年生・柚木の、自分への想いが本物だと知る。一方、鴇浦は偶然にも、沢良木を階段の上から突き落とした犯人を知り激昂する!!鴇浦を無条件で信頼する沢良木、沢良木への恋情を持て余す鴇浦。二人の想いは果たして実を結ぶのか…。

著者等紹介

かわい有美子[カワイユミコ]
12月27日生まれ。関西在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リリー

16
良かったぁ…( ´ ▽ ` )しみじみと感じられる作品でした。舞台は京都帝国大学の予科・三高、この時代特有の鷹揚さや思春期の感覚が、品のある文章で綴られています。かわいさんは時代ものの雰囲気づくりがお上手ですね。大人と子どもの狭間で揺れる、繊細な青少年たちの淡い恋心を描いた作品でもあり、貧しい寒村の生まれで、頭が良いために村長の養子になり、医者になることを期待されている美少年・犀の成長物語でもあります。何となく「猫の遊ぶ庭」の前身っぽいですが、私はこっちの方がすき。かわいさんの寮もので1番好きでした❤︎2015/12/14

やなせ きお

6
休暇前の沢良木の様子が忘れられず都合も聞かずに村を訪れる鴇浦。再会。塞ぐようになってしまった沢良木をそっと溶かしてゆく。寮生活を取り戻していく中、柚木との決着も伊藤との決着も付け、強かになっていく沢良木。挿絵にはない笑顔が紙面から飛び込んでくるようだった。人間ドラマとしては申し分ないがBLとしては色々と足らない。最終章のように無理にラヴを付け足さずとも友情劇でよかった気がする。ラヴ要素として恋愛感情がわからない沢良木がどうしようもなく鴇浦に惹かれていく過程が見たかった。あれでは唐突すぎて素直には喜べない。2014/11/07

れいく

4
まずは沢良木が“事件”に負けずに学校に戻って来て鴇浦と同様にほっとしました(笑)。後編はそんな鴇浦が、己の沢良木に向ける思いがどんなものかを悟って思い悩み、一方の沢良木も他者から向けられる気持ちに向き合って行く。大ラス、良かった!とっても良い終わり方だった。あの学生時代があったからこそ、“今”の沢良木があるのだと思った、沢良木の言葉に鴇浦もさぞ驚いた事だろうな(笑)。読み終えてみて、ああこの話があったからこそその後「空色スピカ」のシリーズが出来たんだなぁ……と思ったわ2010/03/26

natsu

3
前巻では大人しく不器用だった沢良木も、同室の鴇浦たちと共に色々乗り越え、強かで感情豊かな青年に成長しました。「弱い沢良木を鴇浦が守る」という学生時代の構図がひっくり返るラストシーンにはきゅんとします。ただ、さぁこれから!って所で終わってしまうのでぜひ続きが読みたくなる。爽やかなお話でした。2012/09/15

3
初夏の爽やかさなのに余韻の残る読後感だった。子供として入学した旧制高校の寮という閉鎖空間の中で、それぞれがいろんな想いを抱き、傷つき、負け、去り、乗り越える。寮外の世間とも無縁ではいられず、彼ら自身が寮を幸福な楽園として卒業してゆくところまで圧巻。前巻の冒頭で、誰が後編巻末の沢良木の成長を想像できただろうか。いろんな男たちに鍛えられ大人になった沢良木に二度ぼれしちゃうよね、鴇浦。2010/05/02

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