内容説明
二十一世紀に入って急速な経済成長へ転じたインド。いまや世界有数のIT大国となり、投資対象やビジネス相手として注目を集めている。しかし、ほとんどの日本人が、インドの現状とインド人の本質を理解していないのではないだろうか。インド人はなぜ数字のゼロを発見できたのか?なぜ商売上手なのか?その謎は義務教育で九九を十九×十九まで暗記させることにあるのだろうか?そしていま、この国では何が起きているのか?ゼロの発見から説き起こして、経済、教育、国際関係まで…。この国の素顔に、気鋭のエコノミストが迫る。
目次
第1章 インドの実力
第2章 商売上手のインド人 インド式ビジネスとは
第3章 インドは世界屈指のIT社会 ITを武器に世界経済の中心へ
第4章 インド人の教育 なぜインド人は数字に強いのか
第5章 消費大国としてのインド インドの今後を握る産業とは
第6章 インドはどこへ行く?潜むリスク BRICsで抜け出すのはインドだ
著者等紹介
門倉貴史[カドクラタカシ]
1971年神奈川県生まれ。エコノミスト。95年慶應義塾大学卒業後、浜銀総合研究所入社。第一生命経済研究所に経済調査部主任エコノミストとして勤務後、2005年7月からBRICs経済研究所代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミスターテリ―(飛雲)
33
題名に興味をもって手に取ったが、これほど内容が想像と違った本はなかった。インドを理解するための入門書であれば納得で、現状の姿と、これからの発展の予測などが描かれている。唯一興味をもてたのが、インドのIT産業が強い要因として、①頭脳労働を好む国民性②数字と科学の教育の重視③貧困から抜け出す手段としてのIT技術④小学生からのコンピューター教育⑤国の理系の大学の充実などがあげられていた。結果的に、この本を読んですべてを総合してインド人がゼロを発見したという事実で、答えは読者が導き出せと言うことなのか? 2020/12/02
編集兼発行人
5
二十一世紀初頭の印国における経済情勢を中心に据えた概説。株式市場や不良債権処理の芳しい状況を皮切りに人口ピラミッドの形状や地域毎の特性など基本的な情報を押さえながら商習慣のコミカルな実況中継も織り交ぜて平易に詳述。産業の核となるITをはじめ医療や製造に関する主な観点の要約から加速化する成長の原動力を鷲掴み。其の背景として伴走する教育の高等化に最も関与する中間所得層の消費動向から将来の成長分野を予見。地政学的な緊張感や不安定な労働環境など幾つかのリスクに目配せしてもなお満ちる可能性を手短に把握できる入門書。2014/05/04
ぬらりひょん
4
2007年発行、古い…。タイトルに惹かれて借りました。なのにゼロを見つけられたのは、数字に強い民族性と働かなくても周囲の人から責められない文化があったからと「はじめに」の数ページで話は終わっている。あとはインドの現状(2007年時点!)です。この方エコノミストなので。まぁそれでも読みやすくておもしろかった。衝撃だったのは、TOEFLスコアの国際比較データで日本が北朝鮮レベルだということ。アフリカ、南米諸国にも遠く及ばない。またインドのIT産業がソフト産業に偏っているということ。医療(製薬)が発達している→2023/03/11
nezi
4
タイトルの内容と本文は、少し異なっている。 ゼロを見つけられたインドの可能性を歴史と当時の情勢から語っている。 もっとタイトルにある内容の深堀が欲しかった!2014/05/28
noboov
1
最後までタイトルに関する話がなかったw インドの紹介本です。2014/03/06