出版社内容情報
日本棋界の実力者が挑むアジア武者修行「将棋の起源を訪ねて」。
日本の将棋はいつ、どこから伝えられたのだろうか? 将棋界の実力者がお隣の韓国から中国、タイ、インド、スリランカと、将棋の起源を求めて各国の名人たちと対戦しながらたどるそのルーツ。ソウルで、北京で、バンコクで、デリーで、海南島で、香港の街角で駒を使って異国の人たちと語り合い、チェスゲームとの接点にまで達する、スリリングな旅行記。これは遊びの文化の基に迫る異色の探検記であり、将棋武者修行の旅でもある。
内容説明
日本の将棋はいつ、どこから伝えられたのだろうか?棋界の実力者が、お隣りの韓国から中国、タイ、インド、スリランカと、将棋の起源を求めて各国の名人たちと対戦しながらたどるそのルーツ。ソウルで、北京で、台北で、バンコクで、デリーで、海南島で、香港の街角で対局を通して異国の人々と語り合い、チェスゲームとの接点にまで達する、スリリングな旅行記。これは遊びの文化の基に迫る異色の探検記であり、アジアという盤面を進む武者修行の旅でもある。写真・図版多数収録。
目次
日本篇―兵どもが夢の跡に残された駒の謎
タイ篇(バンコクの名人たちとの熱い闘い;マーク・ルックの起源はチャトランガか)
中国篇(中国の象は河を渡れない;二千五百年前?象牙の駒との邂逅)
韓国篇(韓国の象は「用」の字に歩く;百済人が伝えた?日本の将棋)
インド・スリランカ篇(マハラジャの遊びシャトランジ;妻にチェスで負けたシヴァ神;インドから発した東西のチェス・ロード)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そり
9
将棋のルーツを探る海外旅行記。大陸から伝来してきた将棋が形態を変えてゆき、現代のルールに収まる頃は鎌倉幕府の時代と見られる。その時代ではまだ「二君にまみえず」という考えは一般的でなかった。だから「駒の再使用」という日本将棋独自のルールが、人々に不自然なく受け入れられた。なるほど。一目やってみたいと思ったのは中国将棋で、なんと盤の真ん中に河がある。韓国将棋の、一部の駒の配置を自由にしてよいというルールも興味深い。これを応用すれば勝手にルールを作って、力戦調にする楽しみ方もできそうだ。2013/06/06
Gamemaker_K
5
世界の将棋型ゲームの世界に引きずり込まれるきっかけとなった一冊である。古本屋で購入後、何度も何度も読み返している。世界の将棋に触れる旅の旅行記として、これ以上ない名著だね。…個人的に将棋のルーツは解き明かされない方がよいのではないかと思う。多分、シャンチーかチェスかやり飽きた奈良平安あたりの一般人が、取った駒使ってみたら面白かった、とかそんなのが始まりだったんじゃないのかなーなんて考えているので。2019/02/04
kokada_jnet
3
日本将棋の東南アジア~中国江南由来説を説いた、有名な本。この内容を批判的に紹介した本を何冊も読んでいたので。すっかり既読のつもりになっていたが。あらためて読んでみたら面白い。あちらこちらで、現地の将棋を指す大内先生がアツイ。朝鮮象棋って、中国象棋と同じ駒・配置なのに、こんなにゲーム性が違うものなのか。2013/11/07
naoto
0
将棋の本であって、将棋の本でない。この本を読んでも、将棋は強くならない。将棋のルーツを探す、旅本。韓国、中国、タイ、インド、スリランカ。将棋に「持ち駒制」があるのは、駒の形にあり。なるほど。こういう「文化の世界史」、もっと読んでみたい。2014/08/07