出版社内容情報
土門拳は「撮る」前に「見る」人であった。とことんまでモノを見据えて考えた。そして明解につかめたものだけにピントを合わせてシャッターを切ったのだ。それゆえ、土門拳の写真は対象がどんなものでも常にリアリズムだった。
写真家・土門拳の世界に、じっくり浸る写文集第6弾。 「好きなものしか撮らない」と言い切る土門拳の美意識にふれ、彼の凝視が選びとった日本の美は、原始・古代美術や建築・工芸の細部、やきもの開眼、そして風景と幅広い。 「大事なモノは見れば見るほど魂に吸い付き、不必要なものは注意力から離れる……」会心の一枚を撮るまでの心の過程も名エッセイに残る。土門の目ざしたリアリズムの真髄、彼の写真の持つ迫力の源が見えてくる。★文庫オリジナル
内容説明
写真家・土門拳の世界に、じっくり浸る写文集第6弾。「好きなものしか撮らない」と言い切る土門拳。彼の美意識にふれた原始・古代美術や建築・工芸の細部、やきもの、そして風景。凝視することにより生まれた作品群。「大事なモノは見れば見るほど魂に吸い付き、不必要なものは注意力から離れる…」会心の一枚を撮るまでの過程を綴った名エッセイも収載。土門の目ざしたリアリズムの真髄、また、写真の持つ迫力の源は何かが見えてくる。巻末で、弟子であり写真家の藤森武氏が、撮影同行時の思い出や土門拳の撮影方法などを回想する。
目次
強く美しいもの(考古学にめざめる;法隆寺釘隠し;写真と想像)
やきものへの開眼(古窯遍歴;知らないものには夢がある―丹波立杭;わが信楽;まぼろしの古九谷)
手でつかめる風景(花を撮る;手でつかめる風景;モミジに酔う)
師を語る 凝視と撮影のあいだ(藤森武)