出版社内容情報
水戸徳川家刀鍛冶屋の末裔が語る、鉄と道具の魅力。
烈公・水戸斉昭の刀鍛冶から、農具・生活刃物を打つ職人へ。幕末から平成の現在まで、4代にわたり鉄とかかわってきた奥久慈の野鍛冶の末裔・横山祐弘氏が語る、鉄の不思議と道具の魅力。「人が生きるために必要なモノっていうのは、こんな単純な仕事場と道具で作ることができた」。重版をかさねる「木を読む」の書き手が、野鍛冶の職人ばなしに挑戦した意欲作である。懐かしい日本を思い出す、文庫書き下ろしの聞き書き集。
内容説明
烈公・水戸斉昭の刀鍛冶から、農具・生活刃物を打つ職人へ。茨城県北西部、奥久慈に4代続く野鍛冶・横山祐弘氏が語る、鉄の不思議と道具の魅力。懐かしい日本を思い出す、文庫書き下ろし聞き書き集。
目次
第1章 鍛冶屋という職業
第2章 鍛冶屋の仕事場
第3章 鉄と炭
第4章 道具のできるまで
第5章 鍛冶屋の品書き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりこ
4
本書は、茨城県奥久慈に4代続く鍛冶屋 横山祐弘さんの語りである。初代は徳川斉昭の刀鍛治。横山さんは、鍬や鉈などの農具から、包丁、土工具、錨まで、何でも作る野鍛治だ。かつては、どの集落にも何軒もあり、なくてはならない存在だった。鍛冶屋の仕事、鉄のこと、炭のこと、工法、道具についてなど、技術的・科学的なことの中に、鍛冶屋の矜恃と哲学がすっと挿まれる。新しいものや他者のやり方を否定することなく、自分のスタイルを貫く横山さん。大事なのは、自分の体になじむかどうかだ。 面白かった。紹介してくれたK君、ありがとう。2013/12/26