小学館文庫<br> 明治かげろう俥―時代短篇選集〈3〉

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小学館文庫
明治かげろう俥―時代短篇選集〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 460p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094088137
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

傑作再び!幕末から明治を舞台にした傑作集

幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短篇を集成する作品集、第3弾。桜田門外の変を、討ち取られた井伊直弼の首の行方が転々とするなかに捉えた「首」。ロシヤ皇太子ニコラス2世が襲撃された大津事件で、襲った巡査の家族と皇太子の命を救った車夫たちの人生が交差していく「明治かげろう俥」。
ほかに、「明治忠臣蔵」「天衣無縫」「絞首刑第一番」「三剣鬼」の6編。さらに、これまで全集のみに収録されていた、日下三蔵氏による「山田風太郎明治小説〈人物事典〉」を加筆して収録した。
実在の事件や人物を素材にして、斬新な視点と解釈が施された作品の数々は、今なお褪せることがない輝きを放っている。

内容説明

山田風太郎の名短篇を集成する作品集、第三弾。桜田門外の変を、討ち取られた井伊直弼の首の行方が転々とするなかに据えた「首」。ロシヤ皇太子ニコラス二世が襲撃された大津事件で、襲った巡査の家族と皇太子の命を救った車夫たちの人生が交差する「明治かげろう俥」。ほかに「明治忠臣蔵」「天衣無縫」「絞首刑第一番」「三剣鬼」の六篇。加えて、これまで全集愛蔵版に収録されていた「山田風太郎明治小説・人物事典」を増補して収録した。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県生まれ。東京医科大学卒。46年『達磨峠の事件』で作家デビュー。49年に日本探偵作家クラブ賞、97年に菊池寛賞、2001年に日本ミステリー文学大賞を受賞。伝奇小説、推理小説、時代小説、エッセイと幅広いジャンルを執筆。01年7月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨーイチ

20
巻末の発表年を見ると、全て1955年辺りである。ヒエ〜、生まれる前だ。山田風太郎に目覚めたのが五十過ぎからだから、考えてみると約半世紀 宝の山に気がつかず生きて来たことになる。小生にとっては新作同様なので、違和感無く喜んだり、びっくりしながら読んでいる訳だが、(言い尽くされているであろうが)「全く古びてない!!」歴史物は古くならないのだ。こうした初期の作品群が後期の大傑作「明治物」を構成して行く事になるのがはっきりと確認できる一冊となっている。続く2013/08/14

タツ フカガワ

17
江戸末期から明治を舞台に、「桜田門外の変」「相馬事件」「広沢真臣参議暗殺事件」「大津事件」など、史実に端を発する6話の中・短編集。たとえば「首」は、桜田門外の変で討たれた井伊直弼の首が、所持者を変えて江戸の町を転々とする曲折の物語。「明治忠臣蔵」は相馬事件を題材に、元藩士の忠臣ぶりが痛ましい。なかでも「大津事件」に材をとった表題作が素晴らしい。結構読んだつもりだった山風先生ですが、まだこんなに面白い本があったのですね。2018/10/17

さっと

9
幕末から明治が舞台の作品集。第1巻、第2巻の収録作に比べると発表年時が50年代半ばぐらいからの忍法帖より以前の初期作品が中心で、当時の時代や舞台にこだわらず書かれた時代小説の中から幕末明治期のお話が集められている。意外な人物が作品中にひょいと顔を出すシーンはこのころからあって、赤ん坊の夏目漱石は強盗に蹴飛ばされるし、幼き志賀直哉は相馬事件に絡んだ家宅捜索(祖父が相馬家の家令)の憂き目に会っている。表題作は大津事件(ロシア皇太子襲撃事件)で国民的英雄となったふたりの車夫のその後を描いた中編のような傑作。2020/09/21

みっちゃんondrums

9
風太郎っていう名前がもうかっこいいな。忍法帖とか『魔界転生』が有名だけど、明治ものが傑作だと紹介されていた。国際関係上の事件にかかわる、有名ではない人々の人生の流転を描いて、特に読むのがやめられなくなる表題作は、泣かせる場面もところどころ。それにしてもあんな悪女っているんだろうか。女のちょっとした嫉妬が悲劇をもたらす『絞首刑第一番』、嫉妬はしても嘘は絶対つきたくないと思う。『明治忠臣蔵』は、世間の人々の熱狂というのは恐ろしいもので、現代に通じると感じた。山田風太郎氏の人間の描き方、好きかも。2014/10/12

かえるくん

7
山田風太郎の時代短篇選集その3。大老井伊直弼の首に右往左往する小人の悲哀と官僚の厚顔無恥ぶりへの皮肉「首」。広沢真臣参議謀殺事件を取り調べる官憲の暴虐とそれを翻弄する広沢の妾の無智ゆえの凄まじさ「天衣無縫」。大津事件でロシア皇太子を襲った犯人の捕縛に協力し、巨額の恩賞にあずかった二人の人力車夫の変遷の対比「明治かげろう俥」。この巻にかぎらず、この選集はどの話もおもしろくて夢中になれた。こんなすばらしい選集を企画し、実現してくれた人たちに感謝を捧げたい。2013/04/16

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