小学館文庫
寂しい写楽

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094087970
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

人気作家宇江佐真理が謎の絵師写楽に迫る!

寛政の改革令に反旗を翻した蔦谷重三郎は人気歌舞伎役者の大首絵刊行を試みる。そして起用されたのは謎の絵師・東洲斎写楽だった。写楽はその正体を明らかにしないまま、十ヶ月の間に百四十余点の傑作浮世絵を発表する。助っ人にかり出されたのは山東京伝、葛飾北斎、十返舎一九の三人。
写楽を大々的に売り出そうとするプロジェクトを進めていく重三郎とその三人を軸にしながら、滝沢馬琴、太田南畝、喜多川歌麿、歌川豊国らも巻き込んで、物語は進んでゆく。明かされていく写楽の正体と江戸末期のクリエイターたちが繰り広げる群像劇にページをめくる指は止まらない。
屈指の時代小説家宇江佐真理氏が史実を踏まえて描ききった異色の歴史小説。

内容説明

寛政の改革令に反旗を翻した浮世絵板元の蔦屋重三郎は歌舞伎役者の大首絵刊行を試みる。喜多川歌麿の離反にあい、絵師探しが難航するなか、突然現れたのが正体不明の東洲齋写楽という男だった。助っ人に駆り出されたのは不遇の日々を送っていた山東京伝、葛飾北斎、十返舎一九の三人。謎の絵師を大々的に売り出そうとする重三郎のもと、計画は進んでいく…。写楽とはいったい何者なのか。そして大首絵は刊行できるのか。宇江佐真理が史実を元に描いた傑作長編。

著者等紹介

宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年、北海道函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。95年、「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、『余寒の雪』で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじさん

94
写楽=齋藤十郎兵衛が確定した今、歴史的ミステリーとして写楽を描くのが難しい時代に、新しいアプローチで写楽に迫った歴史小説色の強い異色作。丹念な時代・風俗考証を通して蔦屋重三郎を中心に、山東京伝、北斎、歌麿、滝沢馬琴、十返舎一九、それに写楽を絡めて描く人生壮絶な人間ドラマだ。どれほど暗い時代であっても、「寂しい」気持ちでいっぱいでも、その状況に絶望せず立ち向う強い意志があれば、必ず道が開ける。写楽に関わることで再生のきっかけを掴んだ男たちの物語は、同じように厳しい時代に生きる読者に勇気を与えてくれる。 2024/05/03

じいじ

94
宇江佐さんの50作目にして、初めて味わう肌触りの小説だった。著者独自の視点から、絵師・東洲斎写楽を描いている。人情味あふれる江戸の人々を描いた、いつもの宇江佐小説と読み心地が違います。新しい宇江佐真理との出会いでした。今作は、史実を忠実に捉えた作品に仕上がっています(それが影響したのか? 少し堅い文体で退屈なところも…)。しかも、主人公の「写楽」をオブラートで包んで、ミステリアスな筆致になっているのも面白いです。まさに「寂しい写楽」が克明に描かれた、宇江佐さんの労作です。2021/11/18

ぶんこ

59
かなり昔に高橋克彦さんにはまっていた頃があり、彼が写楽の研究者とは知っていましたが、写楽が謎の人物と言われていたのは、この本で初めて知りました。 とても意外でした、人物像も思い描いていたような豪放磊落とはほど遠かった。。。 写楽その人よりも、蔦屋や京伝、北斎、十返舎一九などの当時の文化人の生き様や世相が分かって面白かったです。2015/12/01

ともくん

56
未だに謎の多い絵師、東洲斎写楽。 写楽とは何者なのかを期待して読むと、少し期待外れかもしれない。 だが、写楽が生きた時代の、絵師や戯作者などのやり取りを読んでいるだけでも面白い。 葛飾北斎、十返舎一九、山東京伝など、錚々たる顔ぶれが集まっている。2020/09/24

優希

55
写楽は名前は知ってはいますが、その人となりまでは知りませんでした。写楽その人というより、周囲の人との関わりの中で描かれるので、人間ドラマを描いたと言ってもいいでしょう。2021/03/01

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