小学館文庫
満開の栗の木

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  • サイズ 文庫判/ページ数 445p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094087161
  • NDC分類 949.83
  • Cコード C0197

出版社内容情報

北欧ミステリの女王、アルヴテーゲン最新作

スウェーデンでいまもっとも人気がある女流作家・カーリン・アルヴテーゲンの、北欧ミステリ界を騒然とさせた最新作。
事業で大成功して、なにもかもを手に入れた実業家アンダシュは、強烈な空虚感から自殺未遂をしてしまう。病院を無断で抜け出した彼は、スウェーデン北部の寒村にある、ヘレ-ナのホテルにたどり着く。
ヘレーナも望まない離婚から、苦々しい想いのなかで、一人娘を育てていた。
アンダシュは自らの素性を隠しながら、このホテルで働くことになる。

ヘレーナとアンダシュ、ビートルズのヴィンテージギターを所有する謎の男・ヴェルネル、ヘレーナの隣人アンナ=カーリンなど、登場人物のだれもが満たされない心を抱えながら、その足りないピースを探して、この村でもがくのだが・・・・・

北欧ミステリ〈ガラスの鍵〉賞受賞作家の3年ぶりの新作は、彼女のエポックメイキング的作品となるにちがいない!

カーリン・アルヴテーゲン[カーリンアルヴテーゲン]
著・文・その他

柳沢 由実子[ヤナギサワ ユミコ]
翻訳

内容説明

スウェーデンでいまもっとも人気がある女流作家カーリン・アルヴテーゲンの最新作。それは北欧ミステリ界を騒然とさせた絶望と希望の物語。事業で大成功してなにもかもを手に入れた実業家アンダシュは、強烈な空虚感から自殺未遂をしてしまう。病院を無断で抜け出した彼は、スウェーデン北部の寒村にあるヘレーナのホテルにたどり着く。そこで出会ったヘレーナもまた、離婚や娘との関係で、満たされない心に苦しんでいた。北欧ミステリの最高峰である“ガラスの鍵”賞受賞から十年の時を経て、アルヴテーゲンのエポックメイキング的最高傑作がここに誕生した。

著者等紹介

アルヴテーゲン,カーリン[アルヴテーゲン,カーリン][Alvtegen,Karin]
1965年スウェーデン生まれ。テレビ脚本家を経て、1998年『罪』で小説家デビュー。第二作『喪失』で北欧五カ国のなかでもっともすぐれたミステリに与えられる“ガラスの鍵”賞を受賞。以後『裏切り』『恥辱』『影』(すべて小学館文庫)などを発表し、スウェーデンでもっとも人気のあるミステリの女王となる

柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
上智大学文学部英文科卒業後、ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケロリーヌ@ベルばら同盟

31
事業で成功を収め、富と名声を手中にしながら、空虚さに生きる目的を失った男性、恵まれぬ環境に育ち、理想の家庭を築きたいと奮闘しながらも、家族と心が掛け違い、孤独と焦燥に苛まれる女性。スウェーデン北部ノルランドの田舎家、ヘラジカが出没する雪深い地で二人は出会い…。北欧ミステリーの女王の作品ということで、勢い込んで本書を読むと、肩透かしを食わされたように感じるかもしれない。けれど、私は、良質なミステリーとして楽しめた。人とは自分自身の心の裡ですら全てを理解しているとは言い難い、秘密と謎に満ちた生き物なのだから。2018/09/06

星落秋風五丈原

15
いつもこの人の作品はイヤミスっぽいが本作はハッピーエンドでいいのでは。2023/01/13

tom

13
スウェーデンの評判のミステリー作家ということで入手。でもまあ、彼の国のミステリーでも当然のことながら出来不出来はあり、この本は、私にとっては不出来の本。しんどい思いをしている人たちが登場人物。でも、それなりに落ち着きの方向に向かっていったという物語。面白かったのは、書中に突然現れる量子物理学の解説。おお、そういうことなのかと、ちょっと驚くべき名解説。ミステリーを読んで、量子物理学の解説に感動するという希有の体験本でした。2015/08/02

ハルト

5
喪失によって知るなにかがある。自己認識ができないことから生まれた悲しみ。気づかずにいる自分本意な人物たちと周囲の人間との軋轢。すり減る心の犠牲。夫や娘との求めるものの違いからくるズレ、社会的成功を収めながら誰からも必要とされてないことから来る虚無さ、前時代的価値観に凝り固まった防御的攻撃さ。それらはもう失なわれてしまっているのに目をふさぎ、周りを仮想敵とみなし気にして奪われないようにと必死になる。誰かから必要とされたい、安心できる居場所が欲しい。彼ら全員にそんな痛々しくも切実な希求さを感じました。2013/04/10

3
いや~、またも鬱々とした物語でした。スウェーデンの田舎でホテルを経営する離婚したての女性ヘレーナ、経営者として成功したものの満たされない思いを抱え自殺未遂をする男アンデシュ、前時代的な価値観にこりかたまっている女性アンナ・カーリン、そして謎の男ベンデルの4人を軸に展開。この人の書く本は、ミステリーというより人間ドラマというテイストが大きいので彼女らしい作品だと思いました。幼少期に親から受けるべき普通の愛情や世話が受けられないことの影響たるや・・・。彼らのせいではないのにと思うと切ない。2016/06/21

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