出版社内容情報
ショウビズ界の巨匠はなぜ密告者になった?
『踊る大紐育』『王様と私』『ウエスト・サイド物語』『屋根の上のバイオリン弾き』……。ブロードウェイ、ハリウッドの歴史に燦然と輝く数々の名作を生み、バレエ、ミュージカル界の巨匠として知られる振付家ジェローム・ロビンス。しかし彼が米国中に吹き荒れた「赤狩り」の嵐の標的となった末、かつての同志8人を名指しした「密告者」であったことは、あまり知られていない。
1998年夏、彼の訃報に触れた著者はそこで初めてこの事実を知る。幼少のころに衝撃を受けた、映画『踊る大紐育』の底抜けの明るさとは対極にある、彼の暗く思い過去。なぜ彼は密告者となったのか?
ロビンス自身が亡くなるまで沈黙を守ったというこの事実に疑問を抱いた著者は、さまざまな資料を駆使してその真相に迫っていく。やがてその背景に、人種、同性愛といった、当時の米国ショウビズ界が抱えるさまざまな問題が見えてくるーー。
アメリカ映画・演劇界の光と影を浮き彫りにした、平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞の傑作ノンフィクション、待望の文庫化。
【編集担当からのおすすめ情報】
装丁は映画監督としても活躍される和田誠さん、解説は評論家で映画についての著作も多い川本三郎さんです。
内容説明
『踊る大紐育』『王様と私』『ウエスト・サイド物語』…。ブロードウェイ、ハリウッドで数々の名作を生んだ巨匠として知られる振付家ジェローム・ロビンス。実は彼は、かつて赤狩りの標的となった末に、同志八人を名指しした「密告者」だった―。一九九八年夏、彼の訃報に触れた著者はそこで初めてこの事実を知る。なぜ彼は密告者となったのか。やがてその背景に、人種、同性愛といった、当時の米国ショウビズ界が抱える問題が見えてくる。平成二十年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞の傑作ノンフィクションが待望の文庫化。
目次
第1章 ジェローム・ロビンスが死んだ
第2章 非米活動委員会での証言
第3章 ニューヨークのユダヤ青年
第4章 踊る水兵
第5章 ミュージカル映画、街へ
第6章 密告前後
第7章 地獄の底から
著者等紹介
津野海太郎[ツノカイタロウ]
1938年、福岡生まれ。評論家。早稲田大学文学部卒業後、編集・演劇に携わる。晶文社取締役、『季刊・本とコンピュータ』編集長、和光大学表現学部教授を歴任。著書に『滑稽な巨人―坪内逍遙の夢』(第二十二回新田次郎文学賞受賞、平凡社)など。『ジェローム・ロビンスが死んだ―なぜ彼は密告者になったのか?』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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