出版社内容情報
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内容説明
戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。従来の武将とは異なる新しい英傑像を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説。
著者等紹介
和田竜[ワダリョウ]
1969年大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。03年に、脚本「忍ぶの城」で城戸賞を受賞。07年に同作と同内容の小説「のぼうの城」を刊行し、作家デビュー。直木賞候補、本屋大賞第二位となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
580
わたしの読み慣れた時代小説とは一味違う、どことなく現代風な語り口。登場人物(数百人いるんじゃ?)の多さにも辟易。「史実に詳しい脚本家出身の作家さん」という立ち位置はわかるが、もう少し背景を整理してくれたほうが、戦国時代モノ初心者には入り込みやすいと思った。しかしながら「のぼう様(意味はぜひ作品を手に取ってみて)」である成田長親の魅力に、後半からは大きく盛り上がる。このまま下巻へと参ろう。2020/05/22
佐々陽太朗(K.Tsubota)
336
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。これが人の世か。ならばわしはいやじゃ。わしだけはいやじゃ」この一節にさしかかったとき、私の全身に鳥肌が立ちました。私の心がボッと炎と燃えた気がしました。何かしら熱いものがこみ上げ「ウォー」と雄叫びをあげんばかりに激したのです。この瞬間、私はこの物語の主人公・のぼう様(成田長親)にのぼせ上がったと言えましょう。2010/11/14
ehirano1
289
フリーダムな長親ですが憎めないヒトです、ホント。長親の内面や心理描写は彼の周囲の人々を通してしか語られませんので、読む側の想像力を掻き立てられます。 また、著者は文献(古文書?)を相当読み込まれているようで、余談としての歴史的事実の紹介は結構興味深いです。 2016/09/04
yoshida
288
豊臣秀吉の小田原征伐。豊臣家の奉行である石田治部少輔三成は、武功に乏しく豊臣家の武断派で加藤清正、福島正則らから嘲りを受けていた。豊臣家を一枚岩にするため、秀吉は三成に館林城と忍城の攻略を命ずる。忍城の領主成田家は豊臣家に内通し、降伏を予定していた。しかし、上方勢、軍吏長束正家の無礼もあり、城代・成田長親は開戦を決意する。下巻から本格的に合戦に移る。「のぼう様」こと成田長親の将器が上巻では読み取れず。司馬遼太郎等の歴史小説とは違った戦国エンタメ物。上巻は可もなく不可もなく。下巻に期待。2014/12/10
まっし
283
久しぶりの歴史小説でした。始めからスラスラ読める話でした。成田長親ことのぼう様の大活躍が見れるのかと期待していたがどうもそうではないのか?!不思議な魅力を持っているが。。。合戦のシーン想像しながら読めました。下巻が楽しみです♪2013/04/19