出版社内容情報
「私ね、後、一週間後に死んじゃうの」。彼女が履いていた靴下の話がきっかけで付き合い始めた高校2年の僕達。平凡な毎日を送っていたある日、僕は彼女から唐突に告白される。透明な、切ない切ないラブストーリー!
内容説明
彼女の履いていた靴下の話がきっかけで付き合い始めた高校二年の僕たち。平凡な毎日を送っていたある日、彼女は唐突に僕に言った。「私ね、後、一週間で死んじゃうの」病気の進行を知り、運命を受け入れていた彼女は、残されたわずかな時間を自分らしく生きたいと願う。僕は心が追いつけないまま彼女の望みをかなえることに奔走した。少し寒いからあたためてほしい。そう言って僕のベッドで眠った翌朝、彼女に死が訪れて―透明なラストシーンが胸に迫ります。乙女派のバイブルと呼ばれた名作『ミシン』の系譜を正統に継いだ、せつない、せつない純愛小説。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。2000年『ミシン』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
48
齋藤明里さんが”ほんタメ”のYou Tubeで名刺代わりの10冊に上げておられたので読んでみた。よくある余命ものだが、好きなロリータの洋服を着て、大好きな人と一緒にいて残された時間を精一杯有意義に生きようとする前向きな姿が良かったかな。本が2重の表紙になっていたが今年の5月に窪塚愛流さん蒔田彩珠さんで映画化されていたのですね。2024/09/09
Moemi
23
市川拓司さんの『恋愛寫眞』を読んだので、同じカスヤナガトさんのカバーイラスト、そして所謂「不治の病もの」にカテゴライズされる作品としてこちらも再読しました。私自身はロリータファッションとは無縁ですが、作中に出てくるお洋服や薔薇風呂の描写にはすごくときめきました。「不治の病もの」とは言っても病に冒されている主人公の彼女が前向きで悲愴感があまりないので、わりとさくさくと読み進めることができます。自分だったら人生最後の一週間をどうやって過ごすだろうか、とちょっと考えさせられました。2016/06/07
myc0
16
表紙の印象から、ふわっとした雰囲気の物語を想像していたけど、大丈夫です。1ページ目から野ばらちゃんは野ばらちゃんでした。「私、後、一週間で死んじゃうの」そんな彼女は、自分の余生を自分の美意識に基づいて過ごす。何を選ぶかは人それぞれだと思うけど、私も最後の一週間であっても自分の望むものを手に入れる強さを持って生きたいと思う。2020/12/28
コンチャン
14
映画化されるということで再読しました。 内容自体はよくある設定の純愛物語ですが、そこに著者が得意とするロリータファッションの世界観が加わって、映像化すると映えそうな気がしました。2024/06/07
yapipi
13
あと一週間で死ぬならどうするか?私だったら特別なことはしないだろう。なぜなら、出来ることはほぼしてきたし、一週間で新たに出来ることはまずないから。でも、主人公は16才の女子高生、まだ何もしていない、これから自己の歴史を作る年齢だ。彼女が最後に選んだのは、彼氏と一緒に過ごすこと、ロリータデビューすること。そして、最後まで明るく可愛く軽やかでいること。楽しく素直に生きること、人を悲しませないこと。その思いが健気で涙を誘う。読後も彼女の笑顔が頭から離れない。軽い小説のようで実は深い意味を含んでいる。涙が・🥲2025/04/03