内容説明
凶悪な強盗団・鉤手の所業を阻止するべく、娘婿となったやくざの政次郎や道場の面々と立ち向かった義信。その指導力を見込まれ、県知事から児島湾埋め立て事業の監督を依頼される。囚人たちに世のためになる仕事をさせることで、人間らしく生きる喜びを教えたいと考える義信は、天命と悟り、これを受ける。やがて石川道場および政次郎率いる中川一家の連中も参加しての一大事業が始まるが、工事の横取りを狙う土建業・相川組や道場に遺恨を抱く輩がたちはだかって…。男たちは最後まで正義を貫くことができるのか?大正から昭和を描いた任侠小説。
著者等紹介
藤原審爾[フジワラシンジ]
1921年東京生まれ。岡山県で幼少期を過ごす。青山学院高等商業学部に入学するが肺結核で中退、療養しながら執筆活動を始める。47年発表の『秋津温泉』が高い評価を得る。52年『罪な女』ほかで直木賞受賞。恋愛小説、任侠小説、警察小説、動物小説など幅広いジャンルの作品を手がけた。84年没
北上次郎[キタガミジロウ]
1946年東京都生まれ。文芸評論家。明治大学文学部卒業。1976年、椎名誠らと「本の雑誌」を創刊。2000年まで、発行人を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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