出版社内容情報
蝦夷地松前藩。船問屋の赤崎屋は家老と組んで、商売敵八幡屋の焼き討ちと正義感の強い役人伊織の殺害を企てる。見かねた盗賊の助太刀を得て、伊織は八幡屋の遺子を救い出し逃亡するが、赤崎屋の追っ手が迫っていた!
内容説明
蝦夷地松前藩。家老蛎崎主殿は船問屋の赤崎屋と結託し、赤崎屋の商売敵八幡屋に密貿易の嫌疑をかけて取り潰しを図る。併せて正義感の強い目障りな役人三木原伊織も亡き者にしようと企てるが…。そこに、江戸の盗賊佐野屋惣吉、訳あってアイヌに成り済ましていた元旗本の土屋主水正、そして和尚の覚円ら、悪事を捨て置くことのできない男たちが次々と立ち上がる。彼らの助けにより、八幡屋の遺子銀之助は本土津軽へと逃び延びるが、一方、伊織の妻子の身にも危険が迫っていた。息もつかせぬ展開の大衆小説。書評家・北上次郎オススメの名作シリーズ第一弾。
著者等紹介
大佛次郎[オサラギジロウ]
1897年横浜市生まれ。東京帝大政治学科卒業。外務省に勤めるが、1924年より文筆業に専念。同年誕生の『鞍馬天狗』、さらに『赤穂浪士』で文壇に揺るぎない地位を固めた。時代小説、歴史小説、現代小説、史伝、戯曲まで幅広く執筆した。60年芸術院会員。64年文化勲章受章。73年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cogeleau
1
舞台は北海道から津軽、江戸、大阪、京都さらには樺太まで広がる。筋運びはゆったりと進み、丁寧な叙述に圧倒されることもしばしばだった。主要人物たちの視点がリレーのように次々と引き継がれていくのも面白い。 圧倒的な権力者によって動かされる組織の無言の圧力には、いかに正義感を堅持した個人の力であっても太刀打ちできない無力感も覚えた。それは上からの指示のみで粛々と命令を遂行する日本人の特性の表われでもあり、 2025/11/02
mamaichi
1
☆42019/10/04
長老みさわ/dutch
1
さすが大御所の文体。物語の「軸」はあるにはある。「軸になる人物」も居ることは居る。しかし関係者がそれぞれに散って個別に動くので主人公が見えない。もちろん話が何処に転がっていくのかも想像がつかない。ワクワクゾクゾクしながら下巻へ2010/05/10
djebel
0
偶然、手にしたが面白い。2010/10/21
slowbird
0
蝦夷松前藩とは地の果て海の果てで、公儀の目も届かず、やりようによってはやりたい放題、ロシアとの密貿易の罪をなすり付けられて破滅した者たちの復讐までの年月。舞台はさらに津軽、江戸、佐渡、大阪、瀬戸内、果てはロシアまでと目まぐるしく移り、生き延びた者への執拗な追跡が繰り返され、 危機の連続に圧倒される。豪商と藩の重臣まで関わる大掛かりな陰謀に、巻き込まれ、関わる多数の人々の事情や感情が丹念に描かれ、展開の説得力、というより、事件の複雑さ、それはすなわち世の中の複雑さに思い至ることができる。2026/01/26




