小学館文庫
山椿―新編傑作選〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094084757
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

新たな点で選びなおした傑作選。周五郎の時代小説の至芸を堪能あれ。第2巻収録作は「若き日の摂津守」「饒舌り過ぎる」「屏風はたたまれた」「橋の下」「山椿」「ゆだん大敵」「菊千代抄」「砦山の十七日」の八篇。

内容説明

生誕百年を超えてなお清新な輝きを失わぬ山本周五郎の傑作短篇集第二巻。自分を拒み続ける新妻の秘密とは。友情と妻へのいたわりが見事な結末を迎える表題作。時代を超越したキャラクターが秀逸な「若き日の摂津守」。決闘を前にした若者と流浪の夫婦の運命的な交情を描く「橋の下」。ある秘密を抱える主従の歳月を感動的に描く異色作「菊千代抄」。映画的スケールのサスペンスとスペクタクルの「砦山の十七日」ほか、侍の息遣いがリアルに立ち上がる武家もの全八篇を収録。

著者等紹介

山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903年山梨県出身。質店の徒弟、雑誌記者を経て、26年『須磨寺附近』で作家デビュー。『日本婦道記』で直木賞に推されるも辞退。その後もすべての文学賞を辞退しつつも、多くの傑作を残した。67年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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キムチ

31
傑作短編集という事で異色の作品もあり、薄いながらじっくり、濃密な感動を戴けた。人には幾つの感情があるのだろうか・・改めて唸らされるほどの襞襞に深く入り込んだ描写。「若き摂津の守」は薄っぺらい解釈などではなくそういう事もあったであろう「暗愚を装わざるをえぬ」キャラクター、それを受け止める周囲、利用する闇が秀逸。「橋の下」は今なお難しい世代の交流がテーマ。未熟であるがいきなり指図するのではなくさりげない言葉で導く年かさの武士。炉辺話の光景に胸打たれる。「菊千代抄」の心の動きにこちらまで苦しくなってしまう。2014/07/03

イッセイ

7
続いて2巻。「若き日の摂津守」「橋の下」「ゆだん大敵」「砦山の十七日」が◎。「橋の下」は宮本常一の「土佐源氏」を思い起こした。「砦山〜」は編者も解説してるように、葛藤や不安が渦巻く様は、映画で見てみたくなる(T)2011/10/26

山内正

3
枡平に十太夫と土田の前で 女将あみのが手酌酒を呑み 私娘のままよ 何の決まりがついたの? 五日して安川の妹を嫁に貰うと 翌年土田も家老の縁戚の娘を貰った後一年会わなかった 妻は十二の年小間使に教えられたんだよ 半月後十太夫は吐血した 城の勤めと行かなかった 直ぐに病状が急変したが行かなかった 六年が過ぎ墓参に出掛けたら 嫁と子供がいた 何故一度ま見舞ってくれなかったかお聞かせ下さいと 十太夫は道場を私に継がせたかったんですそれだけです 帰る姿を見ながら どうだ見事なもんだらう あのガッカリした顔を!2019/06/28

Takahiro Imaki

3
とても素敵な物語の数々でした。市井の心温まるストーリー。この人が描いている舞台は武士物といった形をとっているけども、その内容については現代の人々の日常とまったく変わらないように感じました。中でも「山椿」はとっても素敵な作品でした。映画化とかしてないならしてみてもらいたい一作です。2012/03/10

いえのぶ

3
1940年代から1960年代に書かれた短編8つを集めたもの。書かれてから半世紀が経っても新編され発行される魅力がある。山本周五郎さんらしい安心して読むことができる小説。2010/08/29

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