内容説明
二〇〇五年一月、作家「かんべむさし」は一通のメールを受け取る。AMラジオ早朝ワイド番組のパーソナリティを、月曜から金曜までの毎日担当しないか、という依頼だ。しかも裏番組は二つとも三十年続く大物の人気番組。作家活動との両立は可能なのか、作家的な発想と思考を、朝のワイド番組でどう生かすのか。スタッフたちとの試行錯誤の日々が始まった。そして作家は、活字人間と電波人間の気質の違いを痛感しつつ、刺激に満ちたラジオの仕事に熱中する…。ユーモラスで軽妙な会話と柔軟で緻密な思考が、爽やかな朝の空気の中でざわめく、意欲的書き下ろし長編。
目次
第1章 素人、それともド素人?
第2章 何とか一年持ったけど
第3章 活字人間の不安がつのる
第4章 マジとシャレ、アホとカシコのせめぎあい
第5章 そろそろかもねとプロは言う
著者等紹介
かんべむさし[カンベムサシ]
作家。1948年兵庫県出身。関西学院大学卒。広告代理店勤務を経て、74年『決戦・日本シリーズ』でデビュー。77年『サイコロ特攻隊』で星雲賞、86年『笑い宇宙の旅芸人』で日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
38
残念ながら評判ほどには楽しめなかった。文字密度の高さも苦痛寄りに感じてしまった。2013/05/01
ともとも
27
初パーソナリティ、いろいろな不安と戸惑い疑問などを 目の当たりにしながらも、それでも試行錯誤を繰り返しながらも 聞き手を面白く、心地よくするための番組作りに取り組んでいく。 大変さ、作家とパーソナリティとの共通点、一方で、その楽しさや、 人間の強さと絆などを感じながらも、感動と勇気を与えていく そんな1冊で良かったです。2015/08/16
1_k
5
内輪ネタ的な雰囲気、関西人的な雰囲気は好き嫌いが分かれるかもしれない。身辺雑記を創作に昇華させる腕前に感服した。さすがプロの仕事である。かんべ先生は以前エッセイに差別的な内容を書いて、ネットで悪い意味で話題になったことがあり、個人的には嫌っていたのだが。この本を読んで人柄が何となくわかった。少なくともこの小説にでてくるキャラなら何の悪気もなくついうっかりやりかねないと納得。2011/07/14
まつじん
5
なんかつまらんかった。これじゃ単なる長い身辺雑記でしょう。2010/02/13
ふじ
4
この番組聴いてました。「むさし・ふみ子の朝はミラクル!」ですよね。まさか小説になっているとは知らなかったです。ブックレビューのコーナーが素晴らしかったです。新聞記事の紹介解説も良かった。なのに、終了してしまった。仕方ないので、今は子守さんを聴いています。それと、他のスタッフはともかく、中西さんは実名で出しても良かったのではないでしょうか。ハッキリいってバレバレですし、現在もレギュラー番組を持って活躍されている方ですから。蛇足ですが、この僕も8時からは「ありがとう」を聴いていました。浜村淳の吸引力には勝てま2011/07/12