内容説明
屈強だと信じていた父・徹二が病に倒れた。息子・史郎は初めて、父と正面から向き合おうと心に誓う。父が切望する“約束”を果たそう、と。ところが、史郎自身もガンに蝕まれ、父より余命が短いかもしれないという現実が待ち受けていた。親より先に死ぬような親不孝息子にはなりたくない。オヤジ、先に逝ってくれ!―無情な思いを抱えながら、史郎は最期に、誰に、何を伝えようとするのか。『愛のむきだし』で’08年ベルリン国際映画祭W受賞を果たした映画監督が描く“父と息子の絆”を、EXILEのAKIRAが初主演で好演する新作映画の完全ノベライズ。
著者等紹介
百瀬しのぶ[モモセシノブ]
1967年東京都生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒
園子温[ソノシオン]
1961年愛知県生まれ。映画監督、脚本家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佳乃
20
ちゃんと伝える。簡単なことのようで難しい。読んでいてあまりに切なくて泣いてしまった。親より早く死ぬってどんな?親孝行したいのに、もしかしたら出来ないかも・・・そんなことばかり読んでいて考えてしまった。親が元気なうちにちゃんと伝えて親孝行しないとね。2013/12/15
うろん
1
映画もあわせてみて欲しい。
Vakira
1
屈強だと信じていた父・徹二が病に倒れた。息子・史郎は初めて、父と正面から向き合おうと心に誓う。 しかしその矢先、史郎は自分もガンに蝕まれていることを知る。オヤジ、どうか俺より先に逝ってくれ。悲痛な叫びを史郎は胸中で繰り返す。 史郎は最期に、誰に、何を伝えようとするのか。 著者は百瀬しのぶさんだが、原作は園子温。さすが、面白い。「愛のむきだし」もそうであったが、親父を愛するひたむきな青年の姿が健気でいじらしい。 たまたま昨日NHKBSを付けたらこの小説の映画版が放映されていて観てしまった。映画も素晴らしい。2012/04/23
チカッティ
1
愛知県の豊川と豊橋を舞台にしていて風景は浮かびやすかったです。 胃がんでもう、先が長くない父。 そのに親孝行を決意するも自らもがん宣告され、 父より先に死ぬかもしれない息子。 結婚を約束するも先延ばしにされている彼女。 夫と息子を失ったらひとりになってしまう母。 もう考えるだけで悲しい設定です。 とは言っても、ストーリーは重苦しくはなく、 親子を繋いでいるサッカーの光景が度々出てきているせいか さわやかなシーンが思い浮かぶことが多かったです。 「ちゃんと伝える」 誰に?何を?色々考えさせられました。2010/08/02
miu
1
「ちゃんと伝える」史郎は何を伝えたかったんだろうか?そして、徹二や陽子、いづみからのメッセージは??画面がよく変わるので、映画で見た方が分りやすい作品なのかもしれないです。2012/01/12