内容説明
ある日の登校中“川上の大クヌギ”と呼ばれる巨木の下で、真一の視界が急に揺らぐ。そして、目を覚ますとそこは一五七四年、戦国の世だった。春日の国の侍・又兵衛の命を偶然にも救った真一は、又兵衛と春日城の姫君・廉姫が身分違いの恋心を抱いていることを知る。しかし、その地を治める大名・高虎に廉姫は婚姻を申し込まれ、もはや了承するしかない状況にあった。一方、現代では真一の両親が、我が子のタイムスリップに動転しながらも、戦国時代まで迎えに行こうとしていた。戦乱の世から時空を超えて、一人の小学生とその家族に届いた、名もなき恋と涙の物語。
著者等紹介
百瀬しのぶ［モモセシノブ］
１９６７年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえすとろ
12
ノベライズ作品には大きく分けて、脚本を書くための「準備稿（シノプシス）」に基づいて筆者が細部に脚色文章を加えて小説化したものと「準備稿」に「完成脚本」からセリフなどを加えて小説化する二種類がある。本書は後者でノベライズライターとして数々の作品を手懸ける百瀬しのぶの手による。映画作品のイメージに対して過度の演出を廃した作風は≪読むビデオ≫であり、言葉を読ませる文章最大の強味である登場人物の心理描写に撤している所は文字を追う事でシーンを脳内再生するイメージビジュアルの再構築を楽しむ読書をする事ができる。 2012/04/15
あぶらや
9
少年がタイムスリップして戦国時代へ。そこで出会った姫様の恋と他国の戦い。少年を追いかけて両親がランクルで戦いを勝利に導く。しかし侍大将と姫様の恋は、、、 非常に平凡なタイムスリップ物だ。少年少女向けかなと思うような内容だが、面白くて夢中で読んでしまった。そしたら映画の脚本をベースにこの作家が書き下ろしたとの事。 映画がみたいなぁ。2017/03/29
flower Sun
4
心情描写が少ない分、読者の想像力に任されてる部分が大きい気がする。戦国の世の女は戦いの駒だった。男は命をかけて戦った。何のために？地位や名声のため？国が残らない未来を知った城主の決断は、娘の自由だった。身分違いの恋。それに泣いて一緒になれなかった二人というのもきっと、たくさんいたんだろうな… ほんのちょっと時代が違えば普通に結ばれていたのかもしれないと思うと「社会の常識」てなんなんだろうなと思う。 もう逃げたくない、そう決めて自分の世界へと戻っていく真一だけが明るく力強く感じた。2023/02/28
雨巫女
2
映画見になかなかいけなくて、読む。しんちゃんの作家さんも映画の上映期間中、亡くなってしまい。話も廉姫と又兵衛の悲恋。2009/10/25
yukiko.k
1
小説より漫画化した方が読みやすく面白そうだと感じた。あとは、題名がしっくりこない気もする。 2022/01/14
