内容説明
アメリカの大富豪キャシディー家の長男ウィーラーは、飲んだくれの女ったらしで一家の鼻つまみ者。だが、一族の栄誉を担う弟のプレスコットが何者かに殺される。背後にいるのは中国マフィアか?一方、香港マフィアのボス、ウォ・ラプリンは移植する腎臓と引き換えに中国政府要人と取引を交わした。それは、米国を破滅へ導く恐るべき策略だった。その陰謀に巻き込まれた弟の死の真相を追うウィーラーはついに核心に迫っていくのだが…。返還直後の香港を舞台に、稀代のストーリー・テラー、S・キャネルが贈る国際謀略アクション小説の傑作。
著者等紹介
キャネル,スティーヴン[キャネル,スティーヴン][Cannell,Stephen J.]
テレビ番組『ロックフォード氏の事件メモ』などのプロデューサーとしても活躍し、エミー賞も受賞した。1995年、作家デビュー
小西道子[コニシミチコ]
1968年東京生まれ。91年東京女子大学文理学部英米文学科卒業、93年明治学院大学国際学研究科修士課程修了。シンクタンク、翻訳会社勤務を経て翻訳者に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨコケイ
1
ハンサムな中年の米国人放蕩息子が弟の死の謎を追う。黒人女性刑事の視点が加わりロマサス仕様となる。一方、文革で零落した家の中国人青年は、祖国脱出のため香港に向かう。二つの軌跡が交わり中国の対米謀略が現れる。全般にぬるいスリラーなのは目をつぶるとして(面白ポイントもあるけど)、九龍城砦が90年代末にいまだ残る香港…というプチ歴史改変の企図が判らず。あと実際にどうであれ、黄禍論的なステロタイプ「狡くて残酷な中国人」の焼直しになってない?という疑念が。映画人の筆者ならではのhigh conceptかもしれないが。2021/03/12
go
1
300頁まで読んで、もういいだろ!となった。普通すぎる。これを時間かけて読む意味を見出せない。九龍城もあんまり出てこないし。2015/03/15
snowano
0
九龍城寨が舞台の小説だと聞いたので、古書店で購入し数か月前から少しずつ読んでいたのをやっと読了しました。 これはいわゆる香港ノワールと呼ばれるジャンルなのかな? 主人公は職にも就かずフラフラしてる放蕩息子で、弟が殺されたことをきっかけに女性刑事と事件の真相を追うというストーリー。 期待していたよりも九龍城寨が登場する描写は少なかったので若干がっかりでしたが、古めの映画を観ているようでそこそこ楽しめました。2024/06/15