内容説明
新聞の懸賞小説で一位入賞を果たしたデビュー作「氷点」から、結核発病から結婚までを記した自伝「道ありき」、そして最後の小説「銃口」まで。三浦文学の代表作十五篇における執筆動機や取材などの背景を、夫の光世氏が綴った。本書は三浦綾子の、もうひとつの愛の物語である。
目次
「氷点」―「作家三浦綾子」の誕生
「続氷点」―人間にとっての「ゆるし」とは
「ひつじが丘」―ストーリー・テラーの本領
「積木の箱」―小磯良平先生の思い出
「塩狩峠」―初めての口述筆記の作品
「道ありき」―脳裡をかすめる前川正の言葉
「細川ガラシャ夫人」―初めての歴史小説
「天北原野」―登場人物への感情移入
「泥流地帯」―苦難を人はどう受け止めるべきか
「続泥流地帯」―登場人物に実名の多い小説
「海嶺」―世界一周の取材を要した長篇
「草のうた」―幼少時の自伝
「ちいろば先生物語」―榎本保郎牧師の壮烈な一生
「母」―多喜二とキリストの死
「銃口」―綾子最後の小説
著者等紹介
三浦光世[ミウラミツヨ]
1924年東京生まれ。三歳より北海道に移住。41年に腎臓結核を発病し、49年、キリスト教の洗礼を受ける。脊椎カリエス療養中の堀田綾子と出会い、59年結婚。66年に長年務めた旭川営林局を退職し、以降、作家三浦綾子の創作活動を支え続ける。綾子氏の難病発症以後は介護につとめた。99年、綾子氏と死別。三浦綾子記念文化財団理事長、三浦綾子記念文学館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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