出版社内容情報
この物語の主人公は沖縄である
「バクさんの詩、わたし好きだなあ」
故郷への想いは海を越え、時を超え、やがて未来を切り拓く――
『ジョーカー・ゲーム』の著者、畢生の長編小説!
遠く離れた故郷沖縄に思いを馳せる詩人・山之口貘、“アメリカが最も恐れた男”不屈の政治家・瀬長亀次郎、戦後の東京で私費を投じて米軍支配が続く沖縄との連帯を模索する中野好夫……。
実在の人物たちの視点を通し、本土復帰までの「時代」と「闘い」を描く、「沖縄が主人公」の物語。
解説:木村草太(憲法学者)
内容説明
一九五二年四月二十八日、サンフランシスコ講和条約が発効されたその日、日本は二つの国に分断された。本土から切り離され、米軍支配下に取り残された沖縄は、島ぐるみで「独立」に向けた闘いを開始する。そんな故郷に遠く離れた地から思いを馳せる詩人・山之口貘、那覇市長や国会議員を務め、演説会で人々を熱狂させる不屈の政治家・瀬長亀次郎、私費を投じて東京に「沖縄資料センター」を設立し、沖縄との連帯を模索する英文学者の中野好夫…。実在の人物たちの視点を通し、本土復帰までの苦難の歩みを描く「沖縄が主人公」の物語。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で朝日新人文学賞、08年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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お晩で、すげち
7
沖縄本土復帰の苦難。米軍政府に屈しなかった瀬長亀次郎が主の小説。太陽の子を読み沖縄を知りたく読んだ。小説だが各種資料を元にと思われる。日本政府は日本の為の政府ではないのか、米国の用聞きと感じる。日米安保は日本の憲法より強いのか。最高裁まで歪めるのか。米国の民主主義の薄っぺさ。戦後、本土復興の陰で沖縄の犠牲、負担。その負担、歪みは今も続く。沖縄のおおらかさが際立つ。ベトナム戦争支持と引換に沖縄本土復帰。復帰ではなく沖縄の日米共同管理。化学兵器撤去の為、筋のない日本側の負担、後に思いやり予算に。付箋多数2025/07/31