小学館文庫<br> 絞め殺しの樹

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小学館文庫
絞め殺しの樹

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  • サイズ 文庫判/ページ数 576p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094073492
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

新・直木賞作家のブレイク作!

北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、農作業、畜舎の手伝い、家事全般を背負わされボロ雑巾のようにこき使われた。その境遇を見かねた吉岡家出入りの薬売りの紹介で、札幌の薬問屋「仙雲堂」で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、早すぎた最愛の家族との別れ。数々の苦難に遭いながら、ひっそりと生を全うしたミサエは幸せだったのか。養子に出された息子の雄介は、ミサエの生きた道のりを辿ろうとする。

「なんで、死んだんですか。母は。癌とはこの間、聞きましたが、どこの癌だったんですか」
今まで疑問にも思わなかったことが、端的に口をついた。聞いてもどうしようもないことなのに、知りたいという欲が泡のように浮かんでしまった。
「乳癌だったの。発見が遅くて、切除しても間に合わなくてね。ミサエさん、ぎりぎりまで保健婦として仕事して、ぎりぎりまで、普段通りの生活を送りながらあれこれ片付けて、病院に入ってからはすぐ。あの人らしかった」(本文より)

【編集担当からのおすすめ情報】
「生まれたからには仕方ない。
死にゆくからには仕方ない」――河崎秋子
数々の文学賞にノミネートされた、入魂の大河巨編!
解説は、木内昇さん。

内容説明

北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、農作業、畜舎の手伝い、家事全般を背負わされボロ雑巾のようにこき使われた。その境遇を見かねた吉岡家出入りの薬売りの紹介で、札幌の薬問屋で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、早すぎた最愛の家族との別れ。数々の苦難に遭いながら、ひっそりと生を全うしたミサエは幸せだったのか。新・直木賞作家、入魂の大河巨編。

著者等紹介

河崎秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第四六回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、15年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第二一回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第三九回新田次郎文学賞を受賞。24年『ともぐい』で、第一七〇回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かぷち

82
圧倒的な読み応えでした。幼いながらに根室に売り飛ばされた少女、丁稚奉公さながらボロ雑巾のような扱いを受け日々をなんとか生き抜く受難の物語から始まる。河﨑さんの筆は厳しくもだからこそ美しい。敢えて暗部を描くことで、描かれない光を想像させてくれる稀有な作家さんだと思います。現代は人と人との結び付きが弱まっているとよく批判されますが、私には彼女が時代と縁に縛られて身動き出来ず朽ちていく樹に思えて仕方がなかった。けれど人は縛るものが無くなれば今度は逆に形のない幸せを追い求め不安になる生き物。難しいですね。2024/05/02

Sam

53
初読みの著者。題名からは島田荘司「暗闇坂の人喰いの木」のようなおどろおどろしい話?などと思ったがそんなはずもなく(人間の悪意や理不尽を余すことなく描いたという意味ではおどろおどろしかったが)、非常に骨太で読み応えのある作品だった。どこまで行っても過酷な運命から逃れられない母と子が描かれるが、カタルシスと再生の予感に溢れた終盤の展開は見事。構成も巧みだと思うし匂い立つような描写がまた素晴らしい。凡百の作家が到底及ばぬ力量の作家であることが本作だけで分かる。(まだ受賞作は未読だが)直木賞も当然か。2024/04/22

カムイ

39
作者の作品ではギリギリと音をたてて歯ぎしりしながら読んだ。登場する人物皆が嫌いだ感情的に共有できずイライラしっぱなしだった、主人公のミサエにすらそう思うが頑張れなんて言葉は逆効果の表現にすら成り果てしまいそうだ。絞め殺しの木か作者の込めた言霊はカムイは確りと受けとりました。ストーリーの中に北海道の方言にそこはちょっとニンマリと[食べらさる]はカムイのところも使う人はいます、標準語だと[いくらでも食べれる]だろうかなぁ2024/12/01

piro

35
親子二代に渡る大河小説。この作品を読むには覚悟が必要でした。それ程に苦しい一冊。冒頭から、幼くして働き手として根室の吉岡家に売られたミサエの境遇に心が痛くなる。しかし河﨑秋子はその程度では容赦しない。第二部の終盤まで、とにかく主人公達は虐げられ、苦難に襲われ、同時に読み手も心を絞め付けられる。まさに『絞め殺しの樹』と言うタイトルの通り、蔓に絞め殺されるかの様な人生が、生々しく語られます。北海道の東の果て・根室という土地に縛られる様に生きる人々。たとえ絞め殺されたとしても、その強さに心打たれます。2024/09/15

まさ

21
文庫になったので改めて再読。ずっと重たい日々が続く話であることはわかっているのだけど、河﨑さんの作品は日々に向き合い懸命に生きることを教えてくれる。時代は違えど寄生してくる人はいる。しかしそこに生きるには強い自分になっていかないと。重いけど、前を向こうと感じさせてくれますね。2024/04/29

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