出版社内容情報
壊れた家族と潰れかけている工場の再生物語
ある日、ヤハギ自動車商会の社長・矢作雄造のもとに女性と男の子が現れた。交通事故で亡くなったひとり息子・秀一の元嫁・裕子と孫の悟だ。悟を連れて実家に戻ってから八年もの間、ずっと顔を合わせていなかったのに、今さらなぜ？
話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。元夫がなぜあれほど車好きだったのか、どうしても知りたくて、専門学校に通ってまで、自動車整備士の資格を取ったらしい。裕子と悟を受け入れた雄造だったが、実は工場の経営は危機的状況にあって……。
雄造の弟でライバル会社を経営する敬司の妨害、友達のできない悟の小学校生活など、次々と困難が降りかかる雄造と裕子。
力を合わせるふたりを見て、工員の鈑金名人・荒井鉄也とミュージシャン・弘中恵、そして、元工業高校教師の芝田紀文が奮闘する。
家族と工場再生の感動物語。文庫書き下ろし。
【編集担当からのおすすめ情報】
愛知県豊田市で生まれ育ったためか、無類の乗り物好きの新美先生。『明治剣狼伝 西郷暗殺指令』で、第7回角川春樹小説賞特別賞、第5回歴史時代小説作家クラブ賞文庫新人賞を受賞した実力派が、車を題材にした現代小説にチャレンジしました。
内容説明
妻を亡くして三年、ひとり暮らしを続ける、小さな自動車修理工場の社長矢作雄造のもとに、事故で亡くなった息子秀一の元嫁の裕子と孫の悟が現れた。裕子が実家に戻って以来、八年も顔を合わせていなかったのに―。話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。秀一がなぜあんなに車好きだったのか、どうしても知りたくて、自動車整備士の資格を取ったらしい。雄造は悩んだ末に裕子の雇用を決めたものの、実は工場は経営難で…。倒産寸前の自動車工場の片隅に、ずっと置かれたままでいる一台の古びた車が、家族と工員たちの人生を燃焼させる、感動の再生物語。
著者等紹介
新美健［ニイミケン］
１９６８年生まれ。金沢経済大学（現・金沢星陵大学）経済学部卒業。『明治剣狼伝 西郷暗殺指令』で、第七回角川春樹小説賞特別賞を受賞し、デビューを飾る。同作で、第五回歴史時代小説作家クラブ賞文庫新人賞も受賞した（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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