出版社内容情報
人とわかりあうことは、こんなにも難しい。
税金を滞納する「お客様」に支払いを促すことを仕事とする県税事務所の納税担当に、同期が休職したことで急遽異動させられてきた若手職員の中沢環。彼女は空気の読めないアルバイト・須藤深雪を始めとする周囲の人間関係に気を遣いながら、かつての出世コースに戻るべく細心の注意を払って働いている――(第1章「キキララは二十歳まで」)
週に一度の娘との電話を心の支えに、毎日の業務や人間関係を適当に乗り切るベテランパートの田邊陽子。要領の悪い新米アルバイトや娘と同世代の若い正規職員たちのことも、一歩引いて冷めた目で見ていたはずだったが――(第3章「きみはだれかのどうでもいい人」)
業界中から絶賛の声、殺到!ブクログ第1位、啓文堂書店大賞第2位、「ダ・ヴィンチ」の「今月の絶対にはずさない!プラチナ本」にも輝いた超話題作がついに文庫化。
同じ職場に勤める、年齢も立場も異なる女性たち。見ている景色は同じようで、まったく違っている――。職場で傷ついたことのある人、人を傷つけてしまったことのある人、節操のない社会で働くすべての人へ。迫真の新感覚同僚小説!
解説は、単行本時から絶賛の言葉を寄せてくださっていた島本理生さんです。
【編集担当からのおすすめ情報】
単行本時、大きな反響をいただいた今作。まずタイトルが心を鷲掴みにして放しません。読み終えた後で2度読みしたくなるミステリ的な仕掛けや、普段、仕事をしながら私たちが感じている言葉にならない思いを、見事なまでに丁寧に、繊細に言語化した今作は、まさに著者渾身の傑作です!この文庫化を機に、これまで以上に多くの方が今作を手に取り、感じた「モヤモヤ」をSNSや読書仲間と共有してくださることを心より願っています。
内容説明
地方の県税事務所に勤める、年齢も立場も異なる4人の女性たち。同期の休職で急遽異動させられかつての出世コースに戻ろうと細心の注意を払う若手職員の中沢環(第1章・「キキララは二十歳まで」)、週に一度の娘との電話を心の支えに業務を適当に乗り切るベテランパートの田邊陽子(第3章・「きみはだれかのどうでもいい人」)など、それぞれの見ている景色は同じようで、まったく違っていて―。職場で傷つき、傷つけたことのあるすべての人に贈る、共感度MAXの新感覚同僚小説!解説は、単行本時より絶賛の言葉を寄せてくださっていた島本理生さんです。
著者等紹介
伊藤朱里[イトウアカリ]
1986年生まれ、静岡県出身。2015年、「変わらざる喜び」で第31回太宰治賞を受賞。同作を改題した『名前も呼べない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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