出版社内容情報
自死遺族の苦悩と葛藤をリアルに描く衝撃作
人見由愛の兄・典洋が高校でのいじめに耐えられず、自ら命を絶ってから4年後の家族の物語。由愛は高校3年。兄の心の声に気づけなかった自分を責めながらも、親友の三葉に救われながら前向きに生きている。母親の伊代は今も息子の死を受け入れられず、無念をはらそうと裁判を起こす。家庭も仕事もうまくいかない父親はアルコールに依存。家族は崩壊寸前だった。
一方、伊代からの依頼で典洋の裁判を取材することになった新聞記者・大同要もまた、自身のトラウマと葛藤し、カウンセリングに通う日々。記者として裁判を傍聴するうち、次第に人見一家に深入りしていく。そして由愛のまっすぐな生き方に、要のかたくなな心も動き始める。
裁判では、典洋をいじめた首謀者の同級生、当時の担任、顧問、かつては典洋の親友でもあった由愛の初恋相手の翔が、証言台に立っていく。誰一人いじめを認めないまま淡々と続く裁判。このままでは何一つ変わらない、私たち家族が沈んでいくだけ、と悟った由愛は、ある重大な決意をするが……。
文庫化にあたり、お笑いタレントの白鳥久美子氏が巻末解説を特別寄稿。いじめを経験したからこその視点で物語を読み解く。
【編集担当からのおすすめ情報】
やり場のない悲しさと怒りを抱えながらも、希望の光に手を伸ばし続ける由愛たちの物語は、まるで、今という時代を生きる私たちへのメッセージのようです。
児童文学のベストセラー作家、野間児童文芸賞受賞の著者は、自身も壮絶ないじめ、虐待の被害者でした。その経験、熱い想いを、一般文芸デビュー作の本作に込めてくださいました。
いじめ遺族の問題に切り込んだ意欲作、待望の文庫化です。
いじめ被害の経験を持つ、白鳥久美子さんの解説原稿も胸に迫ります。
内容説明
兄・典洋は4年前いじめを苦にして自死。高校3年生になった由愛は、兄への自責の念を持ちながらも、前向きに生きようともがいている。母親の伊代は今も息子の死を受け入れられず、裁判を起こす。家庭も仕事もうまくいかない父親はアルコールに依存。家族は崩壊寸前だった。一方、典洋の裁判を取材する新聞記者・大同要も自身の幼少期からのトラウマと葛藤していた。誰一人いじめを認めない裁判で、由愛はある決心をする。由愛の心からの叫びに母は、父は…。自死遺族の問題を描いた衝撃作、待望の文庫化。解説は、いじめ被害の経験を持つ芸人の白鳥久美子氏。
著者等紹介
村上しいこ[ムラカミシイコ]
1969年三重県生まれ。「かめきちのおまかせ自由研究」(岩崎書店)で第37回日本児童文学者協会新人賞受賞。「れいぞうこのなつやすみ」(PHP研究所)で第17回ひろすけ童話賞受賞。「うたうとは小さないのちひろいあげ」(講談社)で第53回野間児童文芸賞受賞。「こんとんじいちゃんの裏庭」(小学館)で第4回日本児童ペンクラブ少年小説賞受賞。YA作品、児童文芸作品著書多数。松阪市ブランド大使、特定非営利活動法人『子どもの自立を支援する会・くれよん』顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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