出版社内容情報
心の居場所を探す少年の伝承と再生の物語
親友が事故で亡くなったのは自分のせい、と自らを責め、心を閉ざしてしまった中学2年の杉本潤。母と一緒に、東京から逃げるように母の故郷の愛知県奥三河・澄川へと引っ越す。そこはコンビニもファストフードの店もないど田舎だが、700年の歴史を持つ「花祭り」という神事、伝統芸能が根付く山深い地域だった。
奥三河にある10を超す集落が各々に伝わる「花祭り」を大切に守っているが、どこも少子化と過疎化の問題は深刻。潤の新たなクラスメイトもたったの3人で、潤の転入によって久しぶりに集落の中学生だけで少年の舞である「三つ舞」ができると皆が期待する。しかし、人との関わりを極力避けたい潤には煩わしさしかない。
“親友を失った自分が、「神」に捧げる神楽だなんて――”。
祭りへの参加を拒否する潤。だが次第に、周囲の人々の心にも巣食う悩みや悲しみ、この世の不条理さを知るようになる。
守るべき伝統と、受け入れざるを得ない変化。少年の心の成長と、「今」を懸命に生きる人々を描く、美しくて愛おしい再生の物語。
解説は中江有里。
【編集担当からのおすすめ情報】
主人公は中学生ですが、けっして若い方だけに向けた小説ではありません。人物の心情を丁寧に掬い取る古内一絵さんの筆致は今作でも健在で、誰もが抱える悲しみや切なさを静かに浮かび上がらせます。さらに、実際に現地で取材を重ねて、作中で描かれる祭りのシーンも秀逸。おごそかながら熱気に満ち溢れた、まるでその場にいるような感覚を味わえます。登場人物たちの思いとともに、ひと晩中続く「花祭り」の雰囲気を存分に楽しんでください。
内容説明
親友が亡くなったのは自分のせい、と心を閉ざしてしまった中学二年の杉本潤。逃げるように東京から母の故郷へと引っ越す。そこは七百年続く「花祭り」という神事、伝統芸能が根付く過疎地域だった。クラスメイトはたったの三人。潤の転入により久々に集落の中学生だけで少年の舞ができると皆が期待するが、祭りへの参加を拒否する潤。だが次第に、誰の心にも巣くう悩みや悲しみ、この世の不条理さを知るようになり…。守るべき伝統と受け入れざるを得ない変化。少年の心の成長と今を懸命に生きる人々を描く美しくて愛おしい再生の物語。
著者等紹介
古内一絵[フルウチカズエ]
1966年東京生まれ。『銀色のマーメイド』で第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年デビュー。17年『フラダン』が青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出。JBBY賞(文学作品部門)を受賞。福島県課題図書にも選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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