出版社内容情報
谷川俊太郎第三詩集と第一エッセー集の合本
『愛について』は1955年の刊行。
いつまでも
そんなにいつまでも
むずばれているのだどこまでも
そんなにどこまでもむすばれているのだ
弱いもののために
愛し合いながらもたちきられているもの
ひとりで生きているもののために
いつまでも
そんなにいつまでも終わらない歌が要るのだ
・・・・・・・・・
と始まる抒情的とも思える詩について(タイトルは「愛」)、詩人は言う。
<そのころは、一種理想主義的な、愛に対する過剰な思い込みがあったんでしょうね。若かったんですよ。……ただ、これも、ぼくには愛の形だと思えるんですけどね>
そして『愛のパンセ』は1957年に刊行された初のエッセー集。
<私は自分の青春を、愛というものと切り離しては考えられない。私はすべてを愛を中心にして感じとり、考えた。愛こそ最も無くてはならぬものであり、それ故に私はいつも愛に渇いていた>
谷川俊太郎の若さ溢れるこの2冊は、谷川ファンだけでなく、若い読者にも新鮮にとびこんでくることであろう。
内容説明
二十代半ばの若き詩人の、“愛という名を冠した”二冊を合本にしたオリジナル文庫。『愛について』は詩人24歳の時に刊行された第三詩集。もう一冊は、26歳の年に発表された初のエッセー集『愛のパンセ』。「青年という獣」など18篇のエッセーの他、詩や歌やモノローグ劇も収録。
目次
愛について(空;地;ひと;人々;“六十二のソネット”以前)
愛のパンセ(生きる;美しき惑いの年;贈物;失恋とは恋を失うことではない;夏の夜の夢;うそだうそだうそなんだ;青年という獣;恋する二人にタブーはない;教える;二つの恋文;泣く;女*果てしなき夢;窓;愛をめぐるメモ;ただそれだけの唄;恋の中の音楽*その二・三の形;沈黙のまわり;ベートーヴェン;詩人の春;散歩;山小屋だより;谷川俊太郎に会う;私の部屋;あふれるもの;愛*私の渇き;大きな栗の木―或る愛のモノローグ)
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年生まれ。52年、処女詩集『二十億光年の孤独』を刊行。主な受賞詩集に『日々の地図』(読売文学賞)、『よしなしうた』(現代詩花椿賞)、『女に』(丸山豊記念現代詩賞)、『世間知ラズ』(萩原朔太郎賞)、『シャガールと木の葉』(毎日芸術賞)、『私』(詩歌文学賞)、『トロムソコラージュ』(鮎川信夫賞)、『詩に就いて』(三好達治賞)などがある。他に多くの詩集があり、エッセー、絵本や童話、翻訳も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
aloha0307
江藤 はるは
嫁宮 悠
todokann