出版社内容情報
許し、許されることの意味を教えてくれる
名作『氷点』の、朝日新聞一千万円懸賞小説入選から五十年を記念して編まれたエッセイ集の文庫化。第一章には、応募にいたる経緯や、新聞連載中の読者からの反響、自身が行った講演の模様など、『氷点』にまつわる文章を収録。新聞連載中に発表されたものもあり、当時の作者の息遣いが伝わってくるようである。また、二人三脚で作品を作りだしてきた夫・光世氏の当時の日記を公開。さらにその日記について行われた特別インタビューを通して、執筆時の二人の生活ぶり、入選までの様子など、名作誕生のエピソードを伝える。
第二章には、『積木の箱』『泥流地帯』など他の作品への思い、療養中に出会った短歌との関わり、支えてくれた忘れ得ぬ人たちのことを綴ったものを収めている。キリスト者であり、作家である三浦綾子を形作ってきた多くの物事が、愛すべきものとして浮かび上がる。
「私はね、人間って『ごめんなさい』と神様にも人にもいえる。自分が許してもらわなければならない存在だと知ることが大切だと思うの」
人間誰しもが持つ弱さ、知らず知らずのうちに犯してしまっている罪。許し、許されることの意味をそっと教えてくれる、優しさに満ちた一冊。
【編集担当からのおすすめ情報】
解説は、三浦綾子記念文学館の館長である田中綾さん(北海学園大学人文学部教授)です。
内容説明
名作『氷点』誕生五十年を記念して編まれたエッセイ集を文庫化。第一章では、『氷点』執筆までの知られざる秘話や逸話、反響などを紹介。また、夫光世の当時の日記を初公開。第二章では、『泥流地帯』『銃口』などの作品や忘れ得ぬ人たちへの思い、小説執筆以前に詠んでいた短歌についての文章などを収めている。「私はね、人間って『ごめんなさい』と神様にも人にもいえる。自分が許してもらわなければならない存在だと知ることが大切だと思うの」人間誰もが持つ弱さ、知らないうちに犯してしまっている罪…。許し、許されることの意味をそっと教えてくれる。
目次
第1章(凍ったインクで;『氷点』と祈り;『氷点』のころ;『氷点』の新聞連載を前に;『氷点』あれこれ ほか)
第2章(“教育”の悩みを主題に―夕刊小説『積木の箱』連載にあたって;著者から読者へ新刊書紹介『積木の箱』;小説あれこれ 尊敬してやまない人;『帰りこぬ風』ヒロイン千香子について;ドラマ『天北原野』愛待つ心の貴さ ほか)
著者等紹介
三浦綾子[ミウラアヤコ]
1922‐99年。北海道旭川市生まれ。十七歳から七年間、小学校教師として軍国教育に献身し、戦後退職。その後、十三年間の療養生活中に洗礼を受け、59年に三浦光世と結婚。64年、朝日新聞の懸賞小説に『氷点』で入選して作家活動に入る。キリスト者のまなざしで「愛とは何か」を問い続け、『塩狩峠』『銃口』など、多くの名作を発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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