出版社内容情報
マンガで読む。巨匠で読む『徒然草』
「つれづれなるままに、ひぐらし硯にむかひて」という序文で始まる兼好法師の書いた有名な随筆『徒然草』。平安時代の『枕草子』と並び、古典随筆の代表としてとりあげられている。
実際、兼好は「枕草子」の作者である清少納言を意識しているところが随所に見られる。 若くして華やかな宮廷を去り、思索と体験とを重ねた作者・兼好の人生観、自然観照、追想、趣味など多岐にわたる内容が平淡優雅な和文で記されている。その根底には仏教的無常観を中心としつつ儒教的倫理観、道徳的人生観などがある。
そのすべてを熟知した上で、『博多っ子純情』で青春を描いた長谷川法世が、現代にも通じる『不定』や『無常』をうまく表現している。『無常』に裏付けられたすべての物が、『いま』という一瞬に描かれて段が進むにつれてしみじみとした気持ちになり、読了後は兼好の気持ちが理解できるほどである。
【編集担当からのおすすめ情報】
長谷川法世先生の描く吉田兼好がかわいらしくて、読み進めていくうちにどんどん好きになっていくのです。
学生の頃に「つれづれなるままに、ひぐらし、すずりにむかいて~」と暗唱させられた序文を改めて理解し、もう一度しっかり読み進めたいと思いました。とてもわかりやすい『徒然草』です。
内容説明
鎌倉時代の随筆。主要部分は1331年頃の執筆とも言われる。全244段、上巻、下巻の二巻からなる。吉田兼好著。序段冒頭の「つれづれなるままに~」からとった題名は「何もやることがなく暇である」と自らを卑下した兼好による。「草」はノートの意味。若くして華やかな宮廷を去ってからの、自身の思索と体験とを重ねた人生観、自然観賞、追想、趣味など多岐にわたる内容が平淡優雅な和文で記されている。根底にある仏教的無常観を中心に、儒教的倫理観、道徳的人生観などがかかれ、『枕草子』『伊勢物語』とともに三大古典随筆と呼ばれている。
目次
つれづれなるままに 序段
いでや、この世に生れては 第一段
いにしへのひじりの御代の 第二段
よろづにいみじくとも 第三段
後の世の事、心にわすれず 第四段
不幸に愁にしづめる人の 第五段
わが身のやんごとなからん 第六段
あだし野の露きゆる時なく 第七段
世の人の心まどはす事 第八段
女は髪のめでたからんこそ 第九段〔ほか〕
著者等紹介
長谷川法世[ハセガワホウセイ]
1945年福岡市生まれ。1968年より『正午に教会へ』でCOMの月例新人賞を受賞。1972年に『痴連』を発表し、本格的デビュー。以降、青年誌を中心に活躍する。1976年に連載を開始した『博多っ子純情』は博多を舞台にした中学生の男女の青春もの。1980年に同作品と『がんがらがん』で第26回小学館漫画賞を受賞。同年「博多町人文化勲章」を受賞。『博多町家ふるさと館』の館長も務めている。2006年福岡市文化賞、2007年福岡県文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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