内容説明
高卒からのたたき上げ、富久丸百貨店外商部の鮫島静緒(38)は、今日も個性豊かなセレブのお客様相手に奔走している。登校拒否ぎみの孫のためお金に糸目をつけない祖母。暴力団幹部の子を妊娠し、逃亡を望む愛人…。外商部の本格的な立て直しプロジェクトが始まり、男社会の古い社内体質が静緒を悩ませる。そこに同居人桝家の元彼まで登場!?そのうえ桝家をゲイと知る母親が、バツイチ独身の静緒に息子との再婚を勧めてきて!?竹内結子主演でドラマ化された話題作続編。神戸在住の著者による大ヒット小説、待望の文庫化!
著者等紹介
高殿円[タカドノマドカ]
兵庫県生まれ。2000年に『マグダミリア 三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
107
其の一を読んで、その面白さにびっくり。 早速、其の二を購入。一気読み。読んでいて改めて感じたのは一日二四時間一年三五六日という時間だけは貧富の差なく与えられるもの。富める人は時間を外商という道具を使って金で買うのだということ。後半のヤクザとの駆け引き、四季子夫人とのやりとり、どちらも緊迫した場面ながら腹の据わった静緒の対応が小気味よい。どうやら高殿円氏は鉱脈を探り当てたらしい。二巻で終わるのはもったいない。続編希望。2019/09/20
33 kouch
76
「わからないものに対して一度は拒絶しないといけないプライド…」少し身に覚えがある。上流階級層の思考やおもてなしを売るという外商員に興味あり、2巻目も読んでみた。1巻に比べると外商に伴う人間の機微のようなものがたくさん描かれている。苦労も多そうだがやり甲斐もありそうな仕事。上流層相手に見下され、公私の堺なく小間使いのように使われる、ただ一方で役得も多い。桝谷の母の意外な心意気に少しホロッと。後半やっと伝説の外商員葉鳥さんが再登場。3巻も楽しみ。2024/04/06
坂城 弥生
72
フランスの婚姻の考え方で『離婚してシングルマザーになった女性同士が家計の問題を解決するための婚姻』もあり。というのがすごいと思った。助け合って生きていきたい人と家族になる。それが本来正しい姿なんじゃないかな。2021/03/26
佐島楓
70
メインストリームでない道を選んだっていい。人生は自分だけのものなのだから。ということで、あがきながら生きる道を模索する鮫島さんがとても素敵でした。下巻になって著者のメッセージがハッキリ出たので、厚さにひるまず二冊ともお読みいただきたいです。2019/09/03
papako
69
こちらも2巻を。とうとう葉鳥さんはミラノへ。鮫島さんは新しい顧客を獲得したり、旅を企画したり、お葬式も仕切るし、催事も企画するし、ヤクザとも対決!まさに八面六臂の大活躍。おまけに枡家の親子関係までなんとかしちゃうし。敵かと思った堂上も味方にしてしまう。『孤独死かゲイか』そんな究極な。鶴さんの孫の勇菜ちゃんの『待ってくれる』大事なことだよね。弥栄子さんの事もご縁の会のこともあるし、次巻ありますよね?売るものは『恩』そういう時代だよね、物より経験。無くしたくないですね。そして枡家母、好きだわ。楽しかった!2019/11/19