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小学館文庫
志ん生一代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 788p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094066265
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

名人・古今亭志ん生を描いた傑作評伝

15歳で家出し、20歳で三遊亭小円朝に弟子入りし、朝太の名をもらう。
「一人前の噺家になるまでは家にはかえらねぇ……」
落語への情熱は本物だったが、10代から覚えた「飲む打つ買う」の三道楽は止められない。師匠を怒らせ、仕事をしくじり、改名を繰り返し、借金を重ねていく……。後の名人・古今亭志ん生の若き日の彷徨だった。
酒のしくじりで寄席に出られなくなり、落語以外に自分の生きる道はないと痛感。高座復帰後は少しずつ人気も上昇し、昭和14年、念願の5代目古今亭志ん生を襲名。
命からがら満州から引き揚げ、戦後は名人・文楽と並び称される存在になり、飲む打つ買うは相変らずながら生活も安定していくが、逆に下積み時代の仲間が次々とこの世を去っていき、脳出血で倒れた志ん生も次第に高座から遠ざかってゆく……。
不世出の天才落語家・志ん生の、戦前、戦中、戦後を駆け抜けた破天荒でドラマチックな人生を描く。
「ハードボイルド小説の先駆者」といわれた結城昌治の、また別の顔が垣間見られる力作長編で、古今亭志ん朝を語る上では、絶対に外せない、必読の名著を文庫として復刊!


【編集担当からのおすすめ情報】
いまだに、熱狂的なファンが数多くいる、不世出の天才落語家・5代目 古今亭志ん生。そのキャラクターを決定したと言われるのが、本書です。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリンピック噺~』で志ん生を描く際の脚本作りでも、多くの部分を参考にしたとNHK制作サイドから、直接聞きました。本書を読めば、カリスマ的な人気を誇る、古今亭志ん生の魅力が理解でき、最後には泣けます。

内容説明

十五歳で家出し、二十歳で三遊亭小円朝に弟子入りし、朝太の名をもらう。「一人前の噺家になるまでは家にはかえらねぇ…」と、落語への情熱は本物だったが、十代から覚えた「飲む打つ買う」の三道は止められない。師匠を怒らせ、仕事をしくじり、改名を繰り返し、借金を重ねていく…。後の名人・古今亭志ん生の若き日の彷徨だった。酒でしくじり寄席を出禁になると、落語以外に自分の生きる道はないと痛感。昭和十四年、念願の五代目古今亭志ん生を襲名。名人・文楽と並び称された不世出の天才落語家の戦前、戦中、戦後を駆け抜けた破天荒人生を描く。

著者等紹介

結城昌治[ユウキショウジ]
1927年東京都生まれ。早稲田専門学校法律科卒業。日本推理作家協会設立当初の常任理事。『ゴメスの名はゴメス』、『白昼堂々』で直木賞候補となる。1970年、『軍旗はためく下に』で第63回直木賞を受賞。1996年死去、享年六十八(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

16
評伝と思って読み始めたら、とんでもなく面白い小説でした。なにしろ志ん生像が生々しい。妻のりんと落語がなければとっくに終わっていたと思われる破天荒な前半生から、終戦の満州から命からがら戻ってきて一気に才能が開花する後半生まで一気読み。「大きな薬缶は沸きが遅いんだ。焦ることはねえ。(中略)小鍋はじきに熱くなるが、さめるのもじきだからな」、落語家になった長男(のちの金原亭馬生)の悩みに応える志ん生の助言がかっこいい。結城昌治さんの本を無性に読みたくなりました。2020/03/16

緋莢

15
図書館本。伝記ではなく、小説(あとがきで、当初は伝記を試みるつもりだったが、無理だったという事情を書いています)。2019年の大河ドラマ「いだてん」でビートたけしが演じた五代目古今亭志ん生の人生を書いています。志ん生のエピソードもそうですが、他の噺家、例えば橘家円喬(4代目)の<自信家で狷介で皮肉屋で、人柄については評判がよくなかった。人の厭がることをわざとやる 例えば快く思っていない者がトリ(最後に出演する真打)をとると、その前に上がって得意なはなしをたっぷりやる(中略)(続く 2019/12/08

Mori

11
昔気質の芸人さんのモデルは正しく、志ん生さんだったんだろうと思う。コンプライアンスが重視される一方で、情報が溢れかえるようになり、気品や信念のようなものが置いてけぼりになっている今の時代。仮に志ん生さんのような芸人さんが出てきても、それを許容できずに花開かせるところには至らないのだと思う。自分にはフラはない。だけど、いや、だからこそせめて、自分の仕事には信念と自信をもって生きていこうと思った。2019/10/14

駄目男

9
師匠ね、この際だから云わしてもらいますが、貴方ね、少し度が過ぎるってぇもんじゃありませんか。甲斐性がないにも程があるでしょ。所帯を持つ前からの飲む打つ買う。少しは治るかと思ったらやや子が三人も出来たと言うに家には一銭の金も入れず。少し給金が入ったかと思えば直ぐ博打。勝ったら勝ったで吉原泊まり。負けた日にゃ知人友人に駆りまくって返さず。引っ越しした先々でも家賃の踏み倒し。師匠から預かった金さえ酒に消え、大事な妻の着物、師匠の羽織、谷町から祝いに貰った衣装、総てが飲む打つ買うですってんてん。2020/12/06

Iwata Kentaro

5
これはとても切ない一冊。志ん生本はいろいろ読んできたが皆「インサイダー」の本なので「いい話」ばかりだった。本書も小説なのでどこまで本当かわからないけど志ん生のダークサイドというか、切ないところというか、がよく伝わる。強情でシャイで人付き合いが悪くて小心者で、という点はぼくにそっくりなのでだから志ん生(および談志)は好きなんだな、と改めて納得。ビートたけしの明るい志ん生では違和感な理由も再確認。2019/06/29

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