小学館文庫<br> ウスケボーイズ―日本ワインの革命児たち

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小学館文庫
ウスケボーイズ―日本ワインの革命児たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 252p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094065701
  • NDC分類 588.55
  • Cコード C0193

出版社内容情報

入手困難な日本ワインの知られざる誕生秘話

日本のワイン造りは、世界の常識からかけ離れていた。
ワイン用ぶどうではなく生食用ぶどうを使い、また、海外からワインやぶどう果汁を輸入して造ることも多かった。
そのような状況に異を唱えた人物がいる。
「海外の銘醸地にコンプレックスを感じながら日本でワインを造る時代は終わった。君たちは本気で海外に負けないワインを造りなさい」
日本のワイン造りを主導した醸造家・麻井宇介(うすけ)の教えを受けた岡本英史、城戸亜紀人、曽我彰彦の3人は、師の遺志を受け継ぎ「ウスケボーイズ」と自らを名乗る。
そして、それぞれが日本では絶対に無理と言われたワイン用ぶどうの栽培から醸造までを一貫して手がけるワイン造りにすべての情熱を傾けるようになる。

日本で“本当のワイン造り"に打ち込んだ青年達の出会いから、ワイン造りを目指し、葛藤しながら成功していくまでの物語。

小学館ノンフィクション大賞受賞作、待望の文庫化!
解説は翻訳家の鴻巣友季子氏。
本作を原作とする映画『ウスケボーイズ』が2018年10月20日公開。渡辺大、橋爪功、安達祐実ら豪華キャストが出演。

河合 香織[カワイ カオリ]
著・文・その他

内容説明

日本のワイン造りは、世界の常識からかけ離れていた。生食用ぶどうを使い、海外からワインやぶどう果汁を輸入して造ることも多かった。そのような状況に異を唱えた人物が、醸造家・麻井宇介だった。麻井の教えを受けた岡本英史、城戸亜紀人、曽我彰彦の3人は「ウスケボーイズ」と名乗り、日本では絶対に無理と言われたワイン用ぶどうの栽培から醸造までを一貫して手がけるワイン造りにすべての情熱を傾け始めた―。“本当の日本ワイン造り”に人生を捧げた青年たちの出会いと苦悩、葛藤そして成功までを追う小学館ノンフィクション大賞受賞作。

目次

プロローグ 父の遺言
第1章 六畳間のワイン狂い
第2章 日本では無理だ
第3章 畑の修道士
第4章 宿命的風土論に呪縛された歴史
第5章 ワインと恋と狂気
第6章 LET IT BE
エピローグ 父を越える息子たち

著者等紹介

河合香織[カワイカオリ]
1974年生まれ。ノンフィクション作家。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒業。2009年、『ウスケボーイズ―日本ワインの革命児たち』で「第16回小学館ノンフィクション大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

422
日本純国産ワインの黎明期を支えた故麻井宇介を師と仰いだ、三人の青年の物語。彼らのワインに対する情熱にまず圧倒される。貧乏旅行で訪れた仏ワイナリー主とのやりとり。彼らの情熱を支えた家族。辛いことをいえば、三人の個性があまり個別に伝わってこなかったこと。巻末にあるお三人の写真は冒頭に欲しかった。「貧乏旅行 」と書いたが、それも彼らの裕福な家族の支援があってこそ。ワイン造りというのは、ある程度の経済的バックグラウンドなくしてはできないのだなぁ…などということを、つらつらとCA産安ワインを飲みながら書いている。2020/09/04

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

91
日本ワインの父とも言える故麻井宇助氏。彼を師と仰ぐ若き三人のワイン造りの革命児「ウスケボーイズ」。伝統に縛られることなく自らが思う手法で真摯に理想のワインを目指す。「ワインは農産物であり、ワインは畑でできている」ワインに魅せられ、のめり込んだ人生。それほどまでに造り手の心を揺さぶるものなのだ。三人のアプローチはそれぞれ異なる。でも共通しているのは「自分が一番美味しいと思うものを人に届けたい」ということだ。世界に誇れる日本ワインを目指す彼らの意気込みを感じることができた。五つ星です!★★★★★2018/12/28

hatayan

46
輸入した果汁をブレンドして国産ワインとしていた業界の慣習に異を唱え、ぶどう作りから醸造まで国産を追求した麻井宇介氏に師事した3名の醸造家の半生。学生時代にブルゴーニュを訪ねた3人は、ワインの作り手は芸術家ではなく土地に根を下ろした農家だと学びます。原料を買って醸造する日本酒やビールとは違いワインはぶどう栽培から醸造まで一貫して自身が携わるため、のめり込むあまり離婚して身体中がぶどう色に染められると錯覚した者もいました。飲むことで自然を感じられるから人はワインを飲む。信州を旅するときに思い出したい一冊です。2020/06/02

おさむ

36
2018年から日本ワインと表示するには国産ぶどうのみを原料とし、国内で製造されたものでなければならなくなった。裏を返せば、これまではめちゃくちゃな表示だったということ。本著は、そんな毀誉褒貶の激しい日本のワイン造りの歴史を、3人の若者たちの挑戦を通して、教えてくれる。この若者たちとちょうど同世代ということもあり、感情移入しながら楽しく読みました。3人のつくるワイン、まだ飲んだことはないので、ぜひ飲んでみたいと思います。小学館ノンフィクション大賞受賞作。2019/07/19

June

27
ノンフィクション。ワイン作りを専用ぶどうの栽培から手懸けた3人の男たちの話。以前の国産は生食用ぶどうを用いたり、外国産ワインや果汁をブレンドしたものだったらしい。ワインはぶどうから作ってこそワイン、ワイン作りは農業、造り手の思いがぎゅっと詰まった飲み物、先駆者の情熱と根性はスゴい。2018年10月から、日本ワインと表示するには国産ぶどうのみを原料と定められたようだ。欲をいえばもう少し文学的な味わい……消えかかった月が空に浮かぶ薄明のぶどう畑、漆黒に包まれ虫の声しか聞こえない闇etcをもっと感じたかった。2018/10/25

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