小学館文庫<br> 蟋蟀

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小学館文庫
蟋蟀

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094064278
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

読めばクセになる、吃驚の11ストーリーズ

先生、これから連続側転するから見ててください――。
そういって、大学研究室で働く女性秘書は、高層ホテルの最上階のバーで、結構なスピードで部屋の隅から隅までくるくるとまわり始めた。そんな奇怪ながらも有能な彼女に惹かれた准教授はある日、求婚を申し出るのだが、彼女は研究室に珍奇な両生類の水槽を設置したまま、行方知らずとなってしまう(「あほろーとる」)。
ほかにも、馬、河童、蟋蟀、猫など様々な生き物をモチーフに、日常と非日常の境界線をのびやかな筆致で揺るがす、読めば読むほどクセになる11の物語たち。(解説・東直子さん)


【編集担当からのおすすめ情報】
カバーイラストは、西加奈子さんの描きおろしです。

内容説明

先生、これから連続側転するから見ててください―。そういって、大学研究室で働く女性秘書は、高層ホテルの最上階のバーで、結構なスピードで部屋の隅から隅までくるくるとまわり始めた。そんな奇怪ながらも有能な彼女に惹かれた准教授はある日、求婚を申し出るのだが、彼女は研究室に珍奇な両生類の水槽を設置したまま、行方知らずとなってしまう(「あほろーとる」)。ほかにも、馬、河童、蟋蟀、猫など様々な生き物をモチーフに、日常と非日常の境界線をのびやかな筆致で揺るがす、読めば読むほどクセになる11の物語たち。

著者等紹介

栗田有起[クリタユキ]
1972年、長崎県生まれ。2002年、『ハミザベス』ですばる文学賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

26
様々な老若男女の、不条理劇や教訓が垣間見える、愛の寓話。手を触れた相手の現在、過去、未来の見える「サラブレッド」、人の中の動物が見える「ユニコーン」は、特殊能力ゆえの数奇な人生を描く。「あほろーとる」、「いのしし年」はちょっぴり哀しいけれど、みな不思議と明るい終わり方だ。「極楽」だけはアイロニカルで、極楽は刑務所とは、手塚治虫のマンガのようだ。一番気に入ったセリフは、ゲイの男友達のために一度結婚する女性の「だって私たちはすでに一度別れている。もう一生、二度と、別れることはないのだから。」優しさがいっぱい。2017/07/13

だのん

17
11編の短編集。不穏な不思議な世界観の中で、様々なものがたりを楽しみました。『鮫島夫人』では明るい未来がチラッと見えて、『極楽』は何とも切ない思いになりました。この2話が特にお気に入りです。2024/08/13

あ げ こ

13
みんな一所懸命自分を生きていて、愛おしかった。何か少し、人と違う、変わった所のある自分を。苦しくても悲しくても、生き辛くても嫌になっても、やめる事も、別の何かになる事も出来ず、結局は生きて行くほかのない自分を。素朴に、みんな驚くほど素朴に。 諦める事なく、ヤケになる事なく。どちらかと言えば前向きに、それも無理に気張った結果のぎこちない前向きなどではなく、もっと自然な、力の抜けた、ゆるっとした前向き。自分に馴染む、と言った感じの。自分自身に馴染んで行く、と言った感じの。緩やかでほどよい前向き具合。凄く好き。2017/08/13

南雲吾朗

9
不思議な読後感のある11の短編集。どの話も、好きであるが、なかでも「鮫島夫人」が凄く良かった。男女の関係を超越した人間同士の結びつき、思いやり、やさしさがすごく感じられる作品だった。2017/08/12

深沢商店

7
栗田さんの短編集を読むのは初めてか。他にも出てるのかな。どの物語もシュールな展開をおりまぜつつ、栗田さんらしいユニークさが随所に。楽しい一冊でした。2018/07/07

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