出版社内容情報
無類に面白い短篇小説選集
1930年代の大不況時代、そして第二次大戦、さらには傷だらけの戦後を背景に、アーウィン・ショーは数多くの短篇小説を書いた。もっとも有名な「サマードレスの女たち」(「夏服を着た女たち」)は「ニューヨーカー」に掲載され〈都会小説〉の名作として日本でも多くの読者を得てきた。しかし、時代順に配列され、まるで長篇小説のように編集された本書を読むとまったく別の像が浮かんでくる。
三十年代のアメリカ人の群像(タクシー運転手、保安官助手、フットボール選手など中産階級以下の民衆)が生き生きと描かれ、第二次大戦下の兵士たちは困憊し、惑乱している。そして戦後――最後に収められた「いやな話」はまるで悪化した「サマードレスの女たち」のようだ。
《「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりも遥かに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう》
劇的な構成力と、無類に面白い筋の展開を堪能できる傑作短篇集成、待望の文庫化!
●装丁/平野甲賀
アーウィン・ショー[アーウィン ショー]
小笠原 豊樹[オガサワラ トヨキ]
内容説明
一九三〇年代の大不況時代を生きる、タクシー運転手や若い夫婦、保安官助手やフットボール選手などの不安と恍惚と激情のドラマから、第二次大戦下の倦怠し惑乱している兵士たちの人生へ、そして、無残でグロテスクな戦後の幻滅を描く現代の物語まで―。ショーの全作品を愛しぬいた名訳者が、厳選した短篇を時代順に配列し、まるで長篇小説のように編集した傑作集。“「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりもはるかに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう。”劇的な構成と無類に面白い筋の展開を堪能できる十六篇。
著者等紹介
ショー,アーウィン[ショー,アーウィン] [Shaw,Irwin]
1913年、ニューヨーク・ブルックリン生まれ。36年『死者を葬れ』で劇作家としてデビュー。その後「ニューヨーカー」などに次々と短篇を発表。第二次大戦に従軍したのち、48年に長篇小説『若き獅子たち』を刊行し注目を浴びる。1984年逝去
小笠原豊樹[オガサワラトヨキ]
1932年生まれ。翻訳家・詩人(岩田宏)。英語・フランス語・ロシア語を自在に操る名翻訳者として名高い。2014年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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