小学館文庫
バスを待って

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094062694
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

町の景色と人の思いを見事に描く傑作短篇集

「いちばん前の席があいた。となりのおじいさんは、いそいで移動して、椅子によじのぼった。男のひとは、いつまでもあの席が好きでおかしい」(本書より)。
路線バスには、ほかの乗り物にはない、ゆっくりとした時間が流れている。自分もバスに乗って、車窓からの風景を眺めながら、自分の人生に思いを巡らせてみたくなる20篇。人気画家・牧野伊三夫の挿絵も物語の雰囲気を盛り上げる。
解説は、小説家の戌井昭人。

1 お年玉
2 弁当番長
3 出もどりの桜
4 木の芽どき
5 おむかえ
6 あずまや
7 三人の夏
8 中條さんは、バスに乗る
9 バスの刻
10 埠頭から
11 いとこ会
12 ビルめぐり
13 びしょびしょの窓
14 みどりちゃんの友だち
15 らっぱ飲み
16 スパイス国行き
17 帯祝
18 コスモス
19 長靴
20 帰り道
あとがき
解説 戌井昭人

石田 千[イシダ セン]
著・文・その他

内容説明

老若男女、通勤、通学、買い物などで路線バスに乗る人々の、日常のなかにある物語を、車窓の景色のなかに見事に描く傑作短篇集。人情味に溢れ、ゆるりゆられて元気を回復していく二十篇。

著者等紹介

石田千[イシダセン]
1968年福島県生まれ。東京育ち。國學院大學文学部卒業。2001年、第一回古本小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

183
石田千さんの作品を読むのは2作目。『きなりの雲』がとても良かったのでこの短編集も読みました!バスを待つ時間やバスに揺られるひとときに読み終えるようなお話を書きたかったとのこと。バスにまつわる20篇のお話。石田千さんの読点多めの文章が心地よく、優しい穏やかなリズムで紡がれていくのが好き♡いろんな登場人物たちのドラマに触れ、石田さんの温かなお人柄も感じられ、ホロリとしてしまう*「お年玉」「出もどりの桜」「あずまや」「埠頭から」お気に入り♪『きなりの雲』の方が好きだけどこの作品も好み♡共感した言葉はコメント欄へ2018/03/07

佐々陽太朗(K.Tsubota)

92
 路線バスにはいろいろな人が乗り合わせる。その一人一人に人生がある。それぞれは見ず知らずで悩み、恋、不幸、病気、幸せ、希望など、それぞれの人生を歩んでいる。ありふれた日常の中にある心温まる刹那。それは決して特別ではないけれど、人が自分の心の柔らかい部分にそっと仕舞っている優しさを揺り起こす、そんな瞬間がある。  幸せを予感させる物語が多い。「キチンと生きていればいつかきっと良いことがあるよ」登場人物にそう語りかけたい気になる。心温まる20篇からなるオムニバス(omnibus =乗合自動車)でした。2018/07/14

chantal(シャンタール)

82
読友さかなんおススメの一冊。バッチリ私の好みのお話だった。バスに揺られる20編の人生模様。私も普段の生活では地下鉄よりもバスが好き。上海もあちこち地下鉄が通るようになったけれど、出来るだけバスで移動している。バスって、生活に密着してる場所を走るんだけれど、いつもの路線でも新しいお店を発見したり、この間まで咲いてなかったお花が咲いてたりで楽しい。初めての路線に乗る時はワクワクしながら車窓を眺めてしまう。愉快な事も沢山あったなあ。人生悲喜こもごも、ゆらりとバスの座先にもたれながら読むのに最適な一冊。2021/05/05

ぶんこ

60
バスの利用者が主人公の短編集で、いつもは苦手な短編集なのですが、こちらは楽しませてもらいました。薄い文庫なのですが、じっくり味わって読んだので時間がかかりました。文体も好みで、サラサラ流れるようで気持ち良い。杖歩行になってからは移動はバスなので、よく乗るバスも結構出て来て嬉しくなりました。時間がかかっても、乗り換えなしでのんびりできて、乗り合わせた人や街並みを眺めながらぼんやりできるって最高です。今回の短編の主人公と一緒に乗っている気分になってほっこりしました。2018/08/03

ばう

43
★★★★バスって不思議。電車よりも乗っていると外の景色をぼんやり眺めながら色んなことを考えてしまう。この本も路線バスに乗り込む様々な人々の色んな思いが20篇おさめられています。おじいちゃんおばあちゃん、浪人生、会社員、女子高生に保育園児や小学生。みんな何かしら悲しみや寂しさ、悩みを抱えているけれど、バスに揺られているうちに、前を向いて歩いていくきっかけを自分で見つけていきます。自分も前向きな気持ちになれる素敵な作品でした。また一人素敵な作家さんに出会えた。その事が嬉しくて今とっても幸せな気分です。2019/11/15

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