出版社内容情報
『ゲノムハザード』と対をなす記憶ミステリ
その日のことは忘れない――誕生日を迎える娘・真希が事故に遭って、病院に運びこまれたという知らせが。そのことを境にすべてが一変した。吉祥寺にある病院に娘は入院していなかった。妻・伊都子には連絡さえつかない。もちろん自宅にも妻娘は不在で、飼い犬までも姿を消していた。妻の謎めいた書置き以外は、保管しておいた預金通帳も実印も家の権利書も会社名義の貴重品も見当たらず、さらには二年前に起業した南新宿のオフィスもスタッフも、すべてが消え去っていた。突如として四十二年間の人生と自らの存在が奪われてしまったその日から、麻宮達彦の孤独な闘いが幕を開ける。
娘が通う絵画教室の画家、闇金融の取り立て、高校の制服姿の女、弁護士事務所の旧友、美術商の女、バーテンダーの男……誰ひとりとして信じられず、不鮮明な記憶と知覚崩壊に翻弄されるなか、やがて麻宮達彦本人に妻殺しの容疑がかけられる――。
ノンストップでたたみかけられる謎の果てに、主人公は“日常”を取り戻すことができるのか? 西島秀俊主演で映画化された著作『ゲノムハザード』と対をなす、記憶が崩れた男の闘いをサスペンスフルに描いた、司城志朗氏の傑作ミステリ!
【編集担当からのおすすめ情報】
多くの謎が描かれ、それらが最終章までであっと言わせるかたちで解決されます。謎解き小説として愉しめるばかりでなく、人生や家族やアイデンティティといったテーマも内包された作品です。2001年『存在の果てしなき幻』のタイトルで刊行された作品を、現在の時代背景と照らし合わせて全面改稿、タイトルも新たに、初めての文庫となります。
内容説明
その日のことは忘れない。九つになる娘が事故に遭ったという電話で、男のすべてが一変した。病院に駆けつけると娘は入院しておらず、妻には連絡さえつかない。自宅からは愛犬も姿を消し、妻の謎めいた書置き以外は預金通帳も家の権利書も見当たらない。さらには南新宿のオフィスやスタッフまで消え去っていた。四十二年間の人生のすべてを突如奪われたその日を境に、麻宮達彦の孤独な闘いが幕を開ける。誰ひとり信じられず、たたみかけられる謎の果てに、男は“日常”を取り戻すことができるのか?映画「ゲノムハザード」の原作者が突き立てるサスペンスフル・ミステリ。
著者等紹介
司城志朗[ツカサキシロウ]
1950年、愛知県生まれ。名古屋大学卒業後、放送作家から小説家に。83年、矢作俊彦氏との共著『暗闇にノーサイド』で角川小説賞を、98年には『ゲノムハザード』でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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