出版社内容情報
愛と勇気と希望が生まれる青春小説
《駅のトイレなどに比べると、ファミレスは清潔だし早朝は人も少ない。ぼくは時間をかけて顔を洗い、ていねいに歯を磨くと、安物の電気シェーバーでひげを軽くあたった。
身なりはできるだけ気を使うようにしている。ねぐらを失くしてからも、なんとか仕事を見つけてしのいでいけるのは、こういう当たり前の感覚を喪っていないからだ。その一線を越えると、ホームレスと同じになってしまう。
いや堕ちたっていいのだ、と囁く自分もどこかにいる。生きがいも目標も、とうに失くしていたからだ。》ーー本文より
母の死と派遣切りをきっかけに家を失い、日雇い労働で生活をつなぎながらカプセルホテルに寝泊まりするケンジ。そんな中で、社会起業家を目指す台湾の女子大生メイランと、街角のゴミを集め環境問題を研究するオッサン「地球先生」と出会う。それをきっかけに、ケンジは後ろ向きに生きて来た自分を思い直し、人生を立て直していくことを誓う。
ところがある日、台湾に帰ったメイランから、SOSのメールが届いた…。
人はどんなに辛い状況に陥っても、必ず再生できる。そんな勇気と希望が生まれる、心温まる青春小説。
【編集担当からのおすすめ情報】
この小説の主人公はホームレス生活を送る青年ですが、一文無しがわらしべ長者になるサクセスストーリーでもなければ、何かの奇跡が起きて一躍成功者へ!というシンデレラストーリーでもありません。
それでも、彼が人との出会いをきっかけにささやかな目標を立て、コツコツと努力していく姿からは、本来誰もが秘めている「前を向いて生きる力」を思い出させられます。「当たり前のことを当たり前に頑張ることの尊さ」を、この作品でぜひ感じてください!
解説は、貧困問題の第一人者でもある作家の雨宮処凛さんです。
内容説明
母の死と派遣切りをきっかけに家を失い、日雇い労働で生活をつなぎながらカプセルホテルに寝泊まりするケンジは、ひょんなことから社会起業家を目指す台湾の女子大生メイランと、街角のゴミを集め環境問題を研究するオッサン「地球先生」に出会う。生きがいも目標も失っていたケンジは自分を思い直し、人生を立て直していくことを誓う。まずは部屋を借りようと懸命に働くなか、再会の約束をしていた台湾のメイランからSOSのメールが届いた…。どん底に堕ちても、人は必ず再生できる!勇気と希望が生まれる青春小説。
著者等紹介
宮下隆二[ミヤシタリュウジ]
1965年、大阪生まれ。筑波大学比較文化学類中途退学。以降、様々な職業に従事しながら、文章修行を続ける。2005年、第二回「涙骨賞」優秀賞受賞。文芸評論を発表後、2011年に初の小説『地球先生』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あやっぴ
メルル
katsubek
ウィズ
R2
-
- 和書
- 変な家