出版社内容情報
江戸草双紙で大活躍の化物たちが大集合の珍図鑑。
河童、ろくろ首など今も有名な妖怪から、豆腐小僧、鬼娘など、すでにだれも覚えていないものまで、江戸時代のマンガ、草双紙では、個性豊かな化物が、凝りに凝った趣向や設定のもと、のびのびと暴れ回っていました。江戸の化物キャラクターは、今見てもビックリの個性派ぞろい。江戸草双紙の魅力あふれる化物たちを、一冊に凝縮。化物キャラクター設定のおかしみ、造形・デザインの豊かさも満載。学術的にもたいへん価値の高い研究を積み重ねたエッセンスでもある、魅力の珍図鑑。
内容説明
河童、ろくろ首など今も有名な妖怪から、豆腐小僧、鬼娘など、すでにだれも覚えていないものまで、江戸時代のマンガ、草双紙では、個性ゆたかな化物が、凝りに凝った趣向や設定のもと、のびのびと暴れ回っていました。江戸の化物キャラクターは、今見てもビックリの個性派ぞろい。江戸草双紙の魅力あふれる化物たちを、一冊に凝縮。化物キャラクター設定のおかしみ、造形・デザインの豊かさも満載。学術的にもたいへん価値の高い研究を積み重ねたエッセンスでもある、魅力の珍図鑑。
目次
おシャレな江戸の化物たちに
豆腐小僧のすべて
大頭登場
ろくろ首の首尽くし
河童の真相
江戸のアイドル鬼娘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
153
本書は、数いる妖怪の中から、『豆腐小僧』と、『河童』、『鬼娘』という3匹の妖怪に的を絞り、同じ妖怪でも様々なバリエーションが存在するというコンセプトされた1冊。本のタイトルどおり『図譜』なので、絵が主体であり、字数は極めて少ない(ただ読むだけなら1時間も掛からないだろうと思う)。絵を中心に、描くも奇妙奇天烈な妖怪を見るの常道でしょう。ただ、『鬼娘』たる妖怪が存在していたとは知らなかった…… なんとなく『口裂け女』に似ている気がする。あと、浦島太郎の後日談があるということも知らなかった。う~ん世の中は広い。2015/12/17
翔亀
32
畠中さんの「じゃばけ」の妖怪を調べていて、面白くなって読み通してしまった。著者は日本近世文学専攻の米国人学者で、何十という「草双紙」(江戸時代の大人向けの漫画)の絵の一部を解説付きで紹介したもの。要は古典の翻訳本なんだが、豆腐小僧、大頭、ろくろ首などのキャラクター別に、専ら<おシャレ>という観点から軽快に編集されている。「草双紙」自体はさすがに今読んで面白いものではないので、キャラクター図鑑に編集してしまうのは慧眼だ。こう集められると絵自体に個性がなかったりするのだが、江戸の伝統は今も生きている事が判る。2014/09/14
中居正広は野良犬に追いかけられろ・寺
27
最近、読友さん達が『江戸マンガ』という面白そうな本を読んでいて、興味が湧いた。その本の監修者の一人にこの本の著者、アダム・カバットがいた。このアダムさんが書いた『江戸化物草紙』『大江戸化物細見』の一部を元に再編集&大幅加筆したのがこの本。大半は江戸時代の黄表紙の化物の絵だが相当に面白い。豆腐小僧・大頭・ろくろ首・河童・鬼娘をそれぞれ各種紹介。どれもグロテスクな絵柄ながらユーモアを感じる。男色の河童が面白い。紹介文は元の黄表紙の内容に沿っているのが嬉しい。解説は市川染五郎という意外な豪華さ。2014/06/27
かりこ
6
江戸時代の色んな草双紙から豆腐小僧、大頭、ろくろ首、河童、鬼娘の絵をピックアップして、たくさん掲載している。解説文は短め。シーン全体を載せているものもあれば、化物単体だけ載せていて全体の話はよくわからないものも多い。『江戸化物草紙』と違って全ページの翻刻があるわけでもないので少々物足りない印象。上記の五種類の化物の色んな姿を載せているのでそれを見て楽しむだけといった感じか。2013/08/09
小林ミノリ
3
江戸時代の黄表紙(漫画誌のようなもの)に描かれた、ゆるくて愛らしい妖怪達の図鑑、日本人のキャラクター大好き文化の原点。