小学館文庫 新撰クラシックス<br> 手袋を買いに

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小学館文庫 新撰クラシックス
手袋を買いに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 250p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094041095
  • NDC分類 913.8
  • Cコード C0193

出版社内容情報

母から子へ、美しい日本のこころ温まる物語

 表題作「手袋を買いに」は、雪のせいで手が冷えてしまった子ぎつねのために、きつねの母子が手袋を買いにいくお話。人間嫌いの母ぎつねは、きつねとばれないよう子ぎつねの片手を人間の手に変えて、この手でお金を差し出すよう言い聞かせて、子ぎつねだけを町へ送り出しますが……。 わずか29歳でこの世を去りながら、日本のふるさとの風景を舞台に、“人の心の優しさ”や“生きることの悲しさ”を描いた新美南吉の名作童話11篇を収めた、心あたたまる1冊です。

内容説明

国民的童話作家として人気の高い新美南吉。日本のふるさとの風景を舞台にした数多くの名作を遺した彼の好んだテーマに、人間と動物、都会と田舎、大人と子供、など「立場を異にするものの魂の交流」がある。本書では、そういった作品群のなかから、雪の積もる冬の夜、寒さに震える子狐のために、人間の街まで手糸の手袋を買いに出かけた狐の親子の物語「手袋を買いに」をはじめ、珠玉の民話的メルヘン「百姓の足、坊さんの足」、南吉自身の思い入れも強かったといわれる「久助君の話」など、十一編を収録した。

著者等紹介

新美南吉[ニイミナンキチ]
1913年(大正2年)、愛知県半田市に生まれる。東京外国語学校(現・東京外国語大学)卒業。四歳で母と死別、その後も父の再婚や養子に出されるなどの環境に身を置きながら、常に児童文学への夢を抱き続け、数々の童話や詩を創作した。しかし三十歳を直前にして、喉頭結核のため死去。作品が認められたのは死後十年以上経ってからである
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ポップ

36
南吉のふるさと訪問を機に再読。本書は彼が生家で書いた作品の多くを収録。教師として子どもたちと触れ合い、都会と田舎で生活を送った体験から、ふるさとに根ざした童話へ惜しみなく注がれている。「ごんごろ鐘」「耳」「疣」「和太郎さんと牛」あたりは、おかしみの中に時代背景が顔を出す。「小さい太郎の悲しみ」おとなは子どもに戻れない。当たり前のことなのに、太郎の悲しみが伝う。「狐」甘えん坊の文六ちゃん。お母さんとの会話は涙を誘う。「手袋を買いに」幻想的で美しい物語。母狐のつぶやきは20歳の青年から送られたはなむけの言葉。2019/07/31

たいち

12
「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする」という懐かしのセリフ。幼心になぜ「ちんちん」なんだと思ってた。それはまぁいいとして、歳をとって改めて読むと、文書の美しさと優しさに心奪われる。その他の収録作品も、日本昔話に出てきそうな物語が多数。『ごん狐』が読みたかったけれど、入ってなかった。どんな物語だったか全然思い出せない…。というわけで、次はごん狐を読むことにしましょう。2014/09/25

たろいも

10
【青空】狐子供が、人間の街に手袋を買いに行く、間違って狐の手を出してしまった子狐。歳をとって改めて読んだ、文書がとても優しくて平和な気持ちになる。人間とは本当にいいものだろうか?母狐のセリフが意味深い。2015/11/08

ここ

4
純真な子供の目を通して、生きていく間によぎっていく、無垢な心をかき乱す光と影を描いた成長と青春の物語。物事への感じ方や行動が大変素直で等身大らしく思えるのは、学校教師であった著者の物事を観察する目が確かなせいだろう。 「年よりは、ぜんぜん団体精神を知らん」といった、さりげなく当時(大正~昭和初期)の日常のリアルを醸し出すのも上手い。2022/03/12

けいちか

4
超有名児童文学を初めて文庫の形で読んだ。「手袋を買いに」はその昔何かで読んだ覚えがあるが、他の作品は初読み。戦時中の話ばかりなので、少し気がめいるが、時代を反映しているともいえる。2015/05/24

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