内容説明
一九五〇年のニューヨーク。裕福な夫婦から失踪した女子学生の捜索依頼を受けたジョゼフィンは、ほくそ笑んだ。スリや盗品売買で食いつなぐことにくらべればかんたんだ。失踪人が行き着く先は、身を売ることとクスリ。元ジャンキーの自分なら、捜しあてられるだろうと思った。しかし、娘の予想通りの転落の跡をたどりながら、ジョゼフィンは何か腑に落ちない気分になっていくのだった…。悪魔に蝕まれていく現代女性の心理を活写した『私の悪魔』のサラ・グランが、二〇世紀半ばニューヨーク裏社会に主人公を疾走させ、悪徳と退廃の世界を描く会心作。
著者等紹介
グラン,サラ[グラン,サラ][Gran,Sara]
米ブルックリン生まれ。2001年、デビュー作『Saturn’s Return To New York』で、書評家たちから最高の評価を得る
田辺千幸[タナベチユキ]
ロンドン大学社会心理学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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